オンナ万引きGメン日誌

無人の餃子販売店に万引きGメンが喝! 魔が差しやすい無法地帯――ヒトの性善説を過信しないで

2022/10/15 16:00
澄江(保安員)
無人の餃子販売店に万引きGメンが喝! 魔が差しやすい無法地帯――ヒトの性善説を過信しないで
写真ACより

 こんにちは、保安員の澄江です。

 つい先日、取引先である防犯カメラの設置業者さんから、最近増殖する無人の餃子販売店における防犯相談を受けました。死角のないよう多数の防犯カメラを設置しているそうですが、それもむなしく万引き被害は頻発しているようで、どのような対策が効果的かと意見を求められたのです。

 犯行の様子を捉えた防犯カメラ映像を見せていただくと、皆一様に金を払う演技をしていたので、悪いこととわかってやっているに違いありません。ヘタな演技をしながら、わずかな金員のみを支払い、商品代金をごまかして出ていく被疑者も数多く存在していました。

 値段の貼り替えや割引シールの無断貼付などと同様、窃盗というより詐欺に近い犯罪行為なので、その場に人がいないと防げない状況といえるでしょう。そのほかにも、賽銭泥棒のように売り上げの入った料金箱を漁る者や南京錠付きのチェーンを壊して箱ごと持ち去る者まで散見され、もはや無法地帯の様相すら感じさせます。

 犯行中の挙動を見れば、防犯カメラの存在は意識するも犯行の様子が映らないよう努力する被疑者ばかりで、犯意を抑制するほどの防犯効果は見受けられません。いまや、自宅の車庫で厳重保管される高額なバイクや自動車をはじめ、軒先を彩る花や側溝のフタまでもが簡単に盗まれてしまう時代です。


 街中には防犯カメラがあふれていますが、それを踏まえて犯行に至る者は絶えることなく、日本各地で暗躍しています。はっきりいってしまえば、この不況下において無人販売すること自体に無理があると思われ、どれだけ高性能な防犯機器を設置しても盗難被害の根絶は不可能なことといえるでしょう。

「自動販売機のように、お金を入れた分の商品しか取り出せない仕組みにしないと、被害の根絶は難しいでしょうね。常習者なら顔認証登録して、その都度に対応すればいいでしょうけど、初めての犯行まで完全に防止したいとなれば、すぐに対応できる距離でモニター監視するしかないですよ」

「自動販売機や顔認証システムを導入する予算はないですよ。そもそもコストがかからないから無人販売なのであって、人も置けないんです」

「機械での防犯には限界がありますから、どうしても人の目や手が必要になります。例えば、店内の様子をライブ配信して、さりげなく防犯につなげている店舗もありますが、それでも(万引きを)やる人はやりますから。常習者対策としてならば、被疑者の写真を店内に貼り出して牽制するやり方もありますけど、人権問題に発展しかねないのでお勧めできません。支払完了まで商品を触れないようにするか、店番を置くこと以外は、やっぱり思いつきませんね」

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