カニエ・ウエスト、「BLMは詐欺」「White Lives Matter」と主張で大炎上! 伝えたかった意味は?
カニエ・ウエストことYe(イェ)が、現地時間10月3日にパリコレで開催したYEEZYコレクション・シーズン9で、後ろに「White Lives Matter(白人の命は大切、以下WLM)、前にローマ法王ヨハネ・パウロ2世の顔をプリントしたTシャツをお披露目。
ショーを見守るYeもこれを着用し、「Black Lives Matter(黒人の命は大切、以下BLM)への冒涜」「暴力的なワード」「白人至上主義を加速させる危険極まりない行為」だと大バッシングが巻き起こった。Yeはインスタグラムに「BLMは詐欺」だと投稿。「All Lives Matter(すべての命が大切)」を主張しているが、炎上はまだまだ続いている。
ラッパー、プロデューサー、デザイナーに実業家、宗教や政治にも手を染め、教育者としても活動するなど、多方面に強い影響力を持つYeが、世界中から注目されるパリコレで「WLM」をファッションに取り入れたことに、BLM団体は「犬笛(政治)パフォーマンス」だと強く批判。
Yeは、ショーの直後、インスタグラムのストーリーで、「みんなBLMは詐欺だって知ってんだろ」「(BLMは)もうおしまいだ。(終わらせてくれてありがとうだな)どういたしまして」と投稿。ネット上には、「BLMは詐欺じゃない!」という声が殺到し、大炎上した。
BLMが世界的に知られるようになったのは、今から2年前。丸腰の黒人が警察官に殺されるという事件が立て続けにネット上に拡散され、全米で大規模な黒人差別抗議デモ“BLM運動”へと発展した。一部では暴動化し、アメリカの黒人たちの怒りを世界が知ることになった。
この運動を支えるためにBLM運動基金が立ち上げられ、世界中から多額の寄付金が集まったが、役員や指導者たちがこれを横領していたことが次々と発覚。先月も、代表者が1,000万ドル(約14億5,000万円)を超える寄付金を私的に流用したとして起訴されており、YeはBLM組織の腐敗を世界に発信したかったものとみられている。
寄付金を集めたBLM組織については以前より問題になっており、“BLM運動の象徴的犠牲者”として知られるブリオナ・テイラーの母親も、「個人的に地元のBLM(組織)と関わりを持ったことはない」「それなのに、ブリオナの遺族のためにと寄付金を募っている。これは詐欺だ」と非難。Yeは、この言葉もインスタグラムで紹介している。
人種差別を助長すると非難を浴びるYeだが、マサチューセッツ大学の政治学教授タティシ・ナタダや、親友のショーン・コムズ、ドレイクからも応援してもらっているとインスタグラムで感謝。しかし、最新の投稿では「All Lives Matter(すべての命が大切)」と主張しており、ネット上からは「だったら最初から、この言葉を使えばいいのに……」と戸惑う声も。
今回の騒動は、これまで当然のこととして考えられていた思想や価値観、概念などが革命的に変化する「パラダイムシフト」だと表現しているYe。どんな騒動も乗り切ってきた彼なので、このことが不買運動や業界から干されるきっかけにはならないだろうが、「ほかに方法はなかったのか残念」という声はあまりにも多く、当分炎上は続きそうだ。