リョクシャカ10周年

『情熱大陸』緑黄色社会、ボーカル失踪事件からの草野球――『クレしん』主題歌も納得の清く正しい青春像

2022/09/26 19:00
加古りえ(ライター)

『情熱大陸』緑黄色社会、苦しみから解放後の“草野球”がまぶしい

 その後のツアー先では、「歌作りの苦しみから解放された長屋の提案」により、スタッフを含めて草野球(キーボードのpeppeは趣味の寺観光へ行ったため不在)を行い、リフレッシュしながら親睦を深めた。「最高っす」「自然が一番っすね」と楽しむベースの穴見真吾&小林。歌詞だけでなく、コメントも素直でまっすぐで、なんともまぶしい。

 そして迎えた初の武道館ライブ。リハーサル後のミーティングでは、「長屋が『仕事仲間みたいな感じになってないか?』と。『やっぱり友だちじゃないけど、ちゃんとそれ(友だち)に戻りたくないか?』みたいな」「その辺を取り戻そうという話し合いがあった」(穴見)とのこと。

 そこで友情を再確認した様子のメンバーは、開演直前に円陣を組み、「俺らが一番楽しむぞ」「ミスなんてどうでもいいんだ」「楽しむぜ」と声をかけ合っていた。

 “ステージはお客さんを楽しませるものであって、自分が楽しむものではない”“お金をもらう以上ミスは許されない”“プロとしてやるならば友だちではいられない”といった昭和的な価値観は、すでに緑黄色社会のメンバーには存在しないと実感させられた。

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