サイゾーウーマンコラム“中学受験”に見る親と子の姿中学受験生の娘が抜毛症に コラム “中学受験”に見る親と子の姿 中学受験生の娘が、髪を抜いて食べていた――「産後1カ月で職場復帰」スーパーウーマンの母が猛省するワケ 2022/09/24 16:00 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) “中学受験”に見る親と子の姿 中学受験生の娘が、抜いた髪を食べているのを目撃……「ものすごくショックでした」 そういうわけで、琴音ちゃんは小1から、ある中学受験専門塾に通うようになったのだが、小5くらいから心配な行動が目立つようになってきたそうだ。 「毛量が多い子なので、初めはわからなかったんですが、気づくと、琴音が自分の髪をむしって抜いているんですよ。多分、無意識なんでしょうね……勉強しながら、抜いた髪を食べているのを目撃してしまい、ものすごくショックでした」 これは「抜毛症」と呼ばれるもので、毛を抜きたいという気持ちを抑えられず、自分で髪の毛やまつ毛を抜いてしまうという、思春期の子どもたちに多い症状。主な原因はストレスといわれており、実は中学受験生でこれを発症してしまう子も少なくはないのが実態だ。琴音ちゃんのように、同時に、抜いた毛を口に入れる「食毛症」を併発することもあるという。 恵理さんは沈痛な表情を浮かべ、こう言った。 「慌てて、心療内科に連れて行ったんです。ドクターに『まずはストレスの除去だね』と言われ、さすがにこれまでの子育てを見直しました。今までは私自身の成功体験から、『これをやっときゃ間違いないんだから!』っていう感じで、子育てのすべてを決定してきたんですが、琴音の姿を見て、間違いないどころか、間違いだらけだったんでは? と反省しましたね……。それで、琴音に『どうしたい? 受験、やめる?』って聞いたんです」 ところが、琴音ちゃんの返事は「NO」。受験はやめないという意思を示したそうだ。 「琴音は、よくいえば素直でやさしい。悪くいえば、闘争心ゼロって性格なんですが、琴音の行っている塾は、結構スパルタで、『努力と根性』が売りみたいな部分があるんですよね。私はその姿勢に惹かれたものの、琴音にとっては酷な環境でした。人と競ってナンボっていう場所で過剰に適応しようとしたことが、抜毛症につながったのだと思います。本当にかわいそうなことをしました」 そこで、恵理さんは転塾を決意。もうすぐ小6というタイミングだったので大手塾をあきらめ、琴音ちゃんのペースに合った個別塾と、地元で定評のある寺小屋的な塾の2つに絞り、どちらに通うかの判断は本人に任せたという。 次のページ 中学受験生の娘を抜毛症に追い込んだのは私 前のページ123次のページ 楽天 中学受験大百科 2022完全保存版 関連記事 「中学受験の失敗」が、わが家には必要だった――小学校受験不合格のリベンジを果たした娘が、学校を辞めたワケ中学受験「算数1科目入試」の戦略に失敗――「倍率10倍超え」入試に賭けた母が今思うこと中学受験生の母が激怒! 「パパがコロナ」なのに夏期講習を休ませない……塾友の家庭は「非常識」過酷な中学受験はさせたくない! 教育ママに育てられた母が、娘と挑んだ「新タイプ入試」の結末PTA役員の子は「公立中高一貫校で優遇される」……中学受験の都市伝説を信じた母の回顧