ジャニーズJr.「22歳定年制度」――経営のプロに聞く「滝沢秀明氏が反感を買わない」ためのヒント
――「22歳定年制度」の導入を前に、Jr.内から目に見える形で「滝沢批判」が上がるようになっているのが気になります。8月4日に開催された『マイナビ サマステライブ 未来少年』最終公演で、少年忍者の内村颯太が、グループの奮起を誓った際、「滝沢さんが作ったグループを推したいのはわかります。それに負けてたら上にいけない」「勝つためにはジャニーイズムを継承することが大事だと思った」と語ったそうで、ファンの間に大きな波紋を呼びました。
大関 彼がそれを堂々と言えたのは、「共感してくれる人がたくさんいる」と思ったからでしょうね。この発言からも、滝沢氏のやり方に不満を抱いているJr.はかなり多いように思います。では、なぜ滝沢氏が批判されるのかといえば、彼に実績が足りていないから。
もし彼が推しているグループが爆発的に売れていたら、ほかのJr.は悔しいけれど納得せざるを得ませんが、現状売れていないわけですから、ただの依怙贔屓(えこひいき)に感じてしまう。滝沢氏がこのまま結果を出せなければ、さらにJr.の不満は溜まっていく一方ですし、滝沢氏はJr.の育成に向いていないということになります。
――滝沢氏が目をかけてきたSnow Manは人気がうなぎ上りで、「オリコン上半期ランキング2022」の音楽ソフトの総売上金額を集計した「アーティスト別セールス部門トータルランキング」で第2位の嵐を上回り、トップを獲得したと話題になりました。
大関 嵐はこれまでテレビやCM、コンサートなど、複合的に驚異的な売り上げを生んできました。今年上半期のソフトの売り上げだけで「嵐超え」といっても、それは詭弁に過ぎません。滝沢氏は「現場の責任者トップ」という立場ですが、正直まだまだ。同じ仕事をしても、ジャニー氏に勝てないことは本人もわかっているでしょうが、であれば、滝沢カラーを出すというか、ジャニー氏とは異なる売り方を明確に打ち出さないと、次の展開にはいけません。このままのやり方だと、周りから「ジャニーさんがいた頃に比べてずいぶんダメになっちゃったね」と見られてしまいます。
――カリスマ的存在だった人物の跡を継ぐのは大変ですね。
大関 Jr.の売り出しに関して、ジャニーズ事務所の社長である藤島ジュリー景子氏の意向があまり聞こえてこず、滝沢氏だけが悪者になっているのも問題。オーナー家にはそれなりの存在感や発言力があるので、例えばあるグループをプッシュするにしても、滝沢氏だけでなく、ジュリー氏のお墨付きだということが社内に伝われば、滝沢氏にだけ批判が集まることはないと思うのですが。