カルチャー
インタビュー

不登校YouTuber・ゆたぼんはなぜ炎上するのか? ホリエモンとの違いを臨床心理士が解説

2022/08/30 18:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 ゆたぼんには、かねてから炎上商法のうわさが絶えない。小学校の卒業式に、髪を染めていることを理由に出られなかったと報告し、校長室で1人だけの卒業式が執り行われたのだが、その翌日、自身のYouTubeチャンネルに「卒業証書を破ってみた【プレゼント】」という動画をアップ。タイトル通り、ゆたぼんは卒業証書を破り捨てたのだ。この突飛な行動は、再生数が低迷していたチャンネルに注目を集める“炎上商法”ではないかと、物議を醸した。

「心理学の観点から言うと、あえて誰かの自尊心を奪うような言動をすれば、炎上商法は可能です。ただ、ゆたぼんさんがもし意図的に炎上を起こしているのだとすれば、果たしてその方法でよいのか……という疑問はありますね。よく実業家のホリエモン(堀江貴文)さんの言動も炎上商法と言われますが、彼の場合、ある視点から見ると正論なんだけど、別の視点から見ると異論が出てくるといった、賛否両論を呼ぶ上手な炎上のさせ方をしている印象。一方で、ゆたぼんさんの場合は、ただ人を不快にさせて炎上させているように感じるんです」

 また、ホリエモンは、「主張」に対して炎上が巻き起こっているが、ゆたぼんの場合は「存在自体」が炎上していると杉山氏は述べる。

「ゆたぼんさんは、実際に不登校の少年という立場で、学校に行っている人を見下し、人の感情を逆なでして、炎上が起きているわけです。もし本当に炎上商法を仕掛けているのであれば、年を重ねて“不登校の少年”ではなくなった時、どうするのか。今のやり方がいつまで続くのかというのは気になりますね」

 存在自体が炎上しているとなると、ゆたぼんの主張に対してではなく、ゆたぼん自身に攻撃が集中する危険性は高い。口が達者ではあるものの、ゆたぼんはまだ13歳。活動をバックアップする父親・中村幸也氏は、自称・心理カウンセラーだというが、適切なアドバイスをしてくれることを祈りたい。

杉山崇(すぎやま・たかし)
神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授。公益社団法人日本心理学会代議員。子育て支援、障害児教育、犯罪者矯正、職場のメンタルヘルスなど、さまざまな心理系の職域を経験。『いつまでも消えない怒りがなくなる 許す練習』(あさ出版)など著書多数。

最終更新:2022/08/30 18:00
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