サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー『ザ・ノン』28歳自分探しの行方 芸能 『ザ・ノンフィクション』レビュー 『ザ・ノンフィクション』28歳、自分探しの旅の結末「彼女が旅に出る理由 ~すれ違う母と娘の行方~」 2022/08/23 12:31 石徹白未亜(ライター) 『ザ・ノンフィクション』レビュー 『ザ・ノンフィクション』若者が持ちがちな“万能感”ゆえか 本人たちは、自らの心の発露に任せて口にしているのだろうが、その発言はどこかで習ったのかと思うくらい、共通点があるように思う。たとえば、この2点だ。 ・働くこと、現代社会、同世代の若者などをディスる ・周りの人間とは異なり、自分たちはわかっていて意識が高いという目線 彼らの言葉は、良くも悪くも特別なものではなく、若者が持ちがちな“万能感”に加えて、“自然派”という足場を得たことで口をついて出たものだろう。 これらの若者は5年後どうなっているのだろう。それこそミサトが憧れ涙した、ヒッピーからアップルを興したスティーブ・ジョブズのようなスターとなるのか、自分のこの発言を黒歴史として恥ずかしがるのか、中高年になっても変わらず周囲をディスっているのか。 『ザ・ノンフィクション』“生活”が苦手な人々 ミサトは幼少期のころ「不思議な子だね」と周囲から言われ、先生からは「時と場(を選びなさい)」と注意されていたと話し、KYだったと幼少期を振り返る。また、大人になってからは、職場を転々としている。 そんなミサトも、ようやく居場所を得た自然派の世界で万能感に酔いしれていたものの、金という現実が追いかけてくる。定住しようとした大分のネギ農家も辞めてしまったという。 学校や職場で日々を送る――ミサトはそんな一般的な“生活”が苦手なのだろう。『ザ・ノンフィクション』を見ていると、同じように社会生活がかなり苦手そうな人がよく出てくる。ただでさえ「働くこと」は楽ではないが、日々を過ごすことが苦手な人にとっては働くことのハードルはますます高いものになるだろう。 番組では元タレント・坂口杏里を取り上げた回もあったが、坂口はミサト以上に日々の生活が苦手そうだった。人生を年表にすると、短期間で何もそこまで、と思うほどイベントが目白押しで、周囲にしてみたら地に足がついておらず、極端で、行き当たりばったりで、反省がないように見える。それはミサトも同じで、しかし本人にしてみれば、その一つひとつが人生をより良くしていきたいという、誠実で真面目な決断の積み重ねなのだろう。その決断と結果のズレは気の毒に思う。 次週は「母と娘の芸者物語 ~箱根で生きる女たち~」。箱根芸者の伝統もコロナを前に岐路を迎え……。 『ザ・ノンフィクション』親への禍根とゴミ屋敷「片付けられない部屋 ~ゴミの中に埋もれた思い出~」 日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。7月24日の放送は「片付けられない部屋 ~ゴミの中に埋もれた思い出~」。 あらすじ 26歳のみ...サイゾーウーマン2022.07.25『ザ・ノンフィクション』「やりたいことで生きていく」という機運の弊害「都会を捨てた若者たち 後編 ~27歳の決断~」 日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。6月26日の放送は「都会を捨てた若者たち 後編 ~27歳の決断~」。 あらすじ 栃木県那須町に...サイゾーウーマン2022.06.27 前のページ12 石徹白未亜(ライター) 専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。 記事一覧 X:@zPvDKtu9XhnyIvl いとしろ堂 最終更新:2022/08/23 12:32 セブンネット 非電化思考のすすめ マインドセットを打ち破る幸福な生き方 怖いもの見たさで非電化工房カフェ行ってみる? 関連記事 『ザ・ノンフィクション』暴力を振るい介護施設から出禁に……「ありのままでいいじゃない ~いしいさん家の人々~後編」 『ザ・ノンフィクション』親への禍根とゴミ屋敷「片付けられない部屋 ~ゴミの中に埋もれた思い出~」『ザ・ノンフィクション』大卒22歳で芸妓を目指す「泣き虫舞妓物語2022 ~夢と希望と涙の行方~ 後編」『ザ・ノンフィクション』向いていない職場の辞め時「人力車に魅せられて ~夢と涙の浅草物語~」『ザ・ノンフィクション』「やりたいことで生きていく」という機運の弊害「都会を捨てた若者たち 後編 ~27歳の決断~」 次の記事 坂口杏里、夫が復縁報告! >