『スマブラ』『鬼滅の刃』で、子どもが乱暴になる!? ママ友からの忠告に「気分が悪くなりました」
夏休みになると、子ども同士で遊ぶ機会が増える。コロナ禍の影響により、小学校の校庭開放やプールの授業、ラジオ体操などが軒並み中止になっている中、低学年の児童は、近所の公園に集まったり、ママ同士が交流のある家に集まったりするケースが多いのではないだろうか。
この年頃の子どもが集まると、「Nintendo Switch」や「ポケモンカード」などを使った遊びが人気のようだが、この場合、ゲーム機やカードの類いを買い与えるかどうかは、その家庭で方針が異なる。ここにママ友が対立するきっかけが転がっているような気がする。
というのも、子どもがまだ赤ちゃんの時は、「全然泣き止まない」「離乳食を食べない」など、共通の悩みで盛り上がることもあったママ友同士だが、ある程度子どもが成長すると、そうした悩みも少なくなり、逆に、家庭ごとの教育方針が浮き彫りになってくる。その際、ママ友に対して、モヤッとした感情を抱えやすくなるものなのだ。
今回のケースでいうと、子どもの娯楽に基本的に寛容な敦子さんと、暴力描写がある漫画やアニメ、またゲームは“悪”と考える千明さんは、互いにモヤッとしたものを感じているように思う。
客観的に見ると、千明さんの「物事の判断がつかない幼少期に、ちょっとでも暴力的なものを見せると、人格形成に影響する」という考えは、かなり思い込みが強い印象で、確固たるエビデンスも見当たらないだけに、思わず口を出したくなるだろう。しかし、ここで敦子さんが「何も言わない」を徹底しているのは、ママ友付き合いにおいて重要な姿勢であると感じた。
自分と違う意見や考えであっても、バックグラウンドや経済状況などは各家庭それぞれ違う。そもそも育児はどうしても、自分がどう育てられたかという経験がベースになりやすい。そのことを踏まえて、敦子さんと同じように、他人の家庭の教育方針に自分の考えを押し付けてはいけないことを、「暗黙のママ友ルール」と認識している人は多いだろう。
一方で、ママ友付き合いでは、「こちらのほうがいいに違いない」というおせっかいの精神が湧きやすい面もある。育児の苦楽を経験した仲なら、わかってもらえるという感覚が強いからだ。千明さんもそんな思いで、敦子さんに忠告してしまったのかもしれないが、その認識はあらためたほうがいい……そう感じた今回の事例であった。