A.B.C-Z・河合郁人、木村拓哉のジャニーズモノマネは「65点」! プロのモノマネタレント&音楽講師が分析
――河合さんが木村さんのライブバージョンの歌マネするとき、ものすごく“溜めた”歌い方になるんです。それがバラエティで笑いどころとなっているんですが、その点はどうでしょう。
知香 木村さんご本人はそんなに溜めていないです。結局、モノマネだから、“ネーミング”がほしいのかもしれません。例えばMISIAさんって、歌っている最中によく手を動かすんですが、そのモノマネに「蠅を振り払っているように見えるMISIA」といったタイトルをつけられたら、もうそれだけで面白い。河合さんもそういうネーミングほしさに、あえてああいった歌い方をしているのではないでしょうか。
――河合さんのモノマネに否定的な人は、オーバーなモノマネを、「本人を笑いものにして、バカにしている」と捉えているようです。
知香 歌声って性格とイコールするもので、河合さんのまっすぐな歌声からは、性格の良さといいますか、少年らしさやピュアな一面を感じさせます。私は彼と話したことはないですが、良い人であることはわかるんです(笑)。ただ一方で、オーバーな歌い方には、恥ずかしがり屋な部分も垣間見えます。その恥ずかしさを隠そうとして、笑いに走ってしまうところがあるのかもしれません。
――河合さんが恥ずかしがり屋なのは、A.B.C-Zファンにはよく知られています。
知香 そうですよね。河合さんは、木村さんのようなナルシストになりきれていない。木村さんは恋愛の歌を歌う時、カメラに向かって、首を傾けたりするんですが、彼はそのレンズを“彼女”に見立てている。河合さんも、仕草自体はマネするんだけど、レンズを“彼女”と見ていない。そんな違いもあるのではないでしょうか。
――では、現段階での河合さんの「木村拓哉モノマネ」の完成度は、100点満点中何点だと思いますか?
知香 河合さんには“伸びしろ”があるということを踏まえ、あえて点数をつけるとすれば、65点! ファンの方は「低い」と感じるかもしれませんが、これから練習することによって、さらに満点に近づけるという期待を込めた点数です。
――具体的に、どうしたら河合さんのモノマネの完成度は上がりますか?
知香 河合さんのように歌声にピーンと張りのある人が、甘く柔らかく歌う――つまり張りがないように歌うのは大変なんですが、一つ提案としては、お風呂に入っている時に練習すること。リラックスして力が抜けた状態で、鼻歌みたいに歌う練習をすると、甘く柔らかい声が出しやすいと思います。もしくは、お酒を飲んでほろ酔いの状態で練習するのも、力が抜けるという点でオススメです。
またこの“甘く柔らかく”というポイントは、息を吸う時から意識してほしいです。パン屋さんの近くを通った時、「あっいい匂いがする」と思って、鼻をクンクンとしたことないですか? あの感じで、鼻から甘く優しく息を吸うところから始めるといいと思います。
――動きに関してはどうでしょうか?
知香 マネする人によってマイクの持ち方を変えたり、髪の揺れなどを意識するのはどうでしょう。河合さんは対象の人物をよく研究されていて、ダンスもうまく、「誰のモノマネをしているのか」は、見る側に伝わっているんですが、これらの点を取り入れると、ジャニーズにあまり詳しくない人にも、しっかり伝わるモノマネになると思います。
また表情や仕草一つとっても、ただ表面をマネるだけでなく、イントロ中から「木村さんはこの曲を歌う時、どんなことを感じているんだろう? 誰に向けて、どんな思いを伝えようとしているんだろう?」と想像をめぐらせることで、さらに似せられるのではないでしょうか。こうした練習を重ねれば、木村さんはもちろん、KinKi Kids・堂本剛さんの歌マネも、より似てくると思いますよ。