A.B.C-Z・河合郁人、木村拓哉のジャニーズモノマネは「65点」! プロのモノマネタレント&音楽講師が分析
ジャニーズJr.時代から始めた“ジャニーズモノマネ”を武器に、ここ数年、バラエティ番組への露出が急増したA.B.C-Z・河合郁人。木村拓哉、KinKi Kids・堂本剛&堂本光一、嵐・松本潤、KAT-TUN・亀梨和也など、そのレパートリーは枚挙にいとまがなく、2020年5月放送の『ものまねグランプリ 次世代ものまね芸人No.1決定戦&歌ものまねNo.1決定戦スペシャル』(日本テレビ系)では、堂々の準優勝に輝いたが、ジャニーズファンの間では“賛否両論”。
「そっくり!」と絶賛する人がいる一方、「全然似ていない」とし、「相手をバカにしている」などと苦言を呈する人も少なくない状況だが、プロのモノマネタレントは、河合の芸をどう見ているのか――? 今回、音大出身のプロ音楽講師であり、榊原郁恵、MISIA、平原綾香などのレパートリーを持つ技巧派モノマネタレント・知香さんに、彼の代表作である「木村拓哉モノマネ」の歌や動きを分析、その完成度を評価いただいた。
河合郁人と木村拓哉は「声の出し方からして違う」
――まず、河合郁人さんによる「木村拓哉モノマネ」に対する率直な印象を教えてください。
知香さん(以下、知香) 河合さんのモノマネだけ見ると似ている感じがするんですが、木村さんと比較した場合、声の出し方からして違うことがわかります。河合さんの声はストレートで、よく言うとミュージカル向きである一方、木村さんの声は甘くて柔らかい、たとえるなら倖田來未さんの男版というか、歌詞に濁点がつくような歌い方をしているんです。
また、河合さんは一つひとつの歌詞をしっかり歌い、最後の一音一音まで客席に届けようという必死さがあるんですが、木村さんはソフトに息を吸って、優しく歌い、語尾は抜いて歌う傾向がある。そういう違いもありますね。
さらに言うと、木村さんは歌う時、片腕を内側に入れるなど、体全体をよく動かしているのが特徴で、ロン毛だった時代は、内側に入れた片腕を外に振り切る瞬間に、髪の毛が揺れたりしていたものの、河合さんはそういうポイントを押さえていないのが気になりました。
――歌声だけでなく、仕草の面でも、細かく見ていくと違いがあるのですね。
知香 木村さんが過去に披露した童謡「どんぐりころころ」の独唱(※)を、河合さんがモノマネする映像を見たのですが、比較するとやはり違いましたね。一つ挙げるとすると、歌唱中、ペットボトルの水を飲む場面。木村さんは口を半開きにしたまま水を口に含み、飲むときも少しはにかんで、下唇を噛むなど、一つひとつの動きがクール。一方の河合さんはまるで初めてチューするみたいに口をとんがらせて、ごっくん……と、見ている側が笑っちゃうような飲み方をしていました。木村さんのマネをしているつもりでも、河合さんご本人が出てしまっているんですね。
(※)『うたばん』(TBS系)2002年12月5日放送回の企画「うたばんのど自慢」で、木村が平井堅の「大きな古時計」をオマージュする形で披露した。