歌舞伎町のホストと婚外恋愛……経営者の妻が「湯水のごとく金を使った」日々に思うこと
家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃないか? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
ホストにハマる若い女性たちが登場するネット漫画『明日、私は誰かのカノジョ』(小学館)が今年4月にドラマ化され、注目を集めたが、昨今、若くしてホストに入れ込み、ホストクラブに通うお金を稼ぐため、結果、夜の世界で働く女性は珍しくないという。
今回お話を聞かせていただいた亜美さん(仮名)は、10年以上前に、新宿・歌舞伎町で、ホストと婚外恋愛を繰り広げたという。
「当時はまったくそんなつもりはなかったんですが、私がしていたことを振り返ると『婚外恋愛』といえば、そうですね。夫がいながらほかの男性と『交際』していましたから……とはいえ、相手はホストですけど」
30代を迎えたばかりの亜美さん。現在のご主人と結婚したのは「20歳の頃」だという。
「結婚相手は、当時働いていたキャバクラの客です。一回り以上歳が離れていましたが、会社経営者で、どのくらいお金を持っているかは、お店での使い方である程度把握していました。私を大事にしてくれて、当時『家がないから、同じキャバクラの友達の家に住まわせてもらっている』と漏らしたら、すぐにお店近くのアパートを借りてくれたんです。そろそろ自分の部屋を借りないと考えていた最中だったので、とてもありがたかったですね。旦那がプロポーズしてくれたのは、もちろん私のことを好きだったからだと思いますけど、不安定な私のことを心配していたところもあったのかな?」
両親と不仲だったという亜美さんは、高校を卒業すると同時に家を出た。学生時代に貯めたアルバイト代でアパートを借りたが、貯金はすぐに底をついて家賃を払えなくなり、昼の仕事とキャバクラでの仕事を両立するようになったそうだ。
「同じ生活サイクルを続ける毎日は、つまらなくも楽しくもなくて、『私は何のために生きてるんだろう』って考え始めるようになりました。当時の私は多分、病んでいたと思いますよ。夜中、家に帰ってお風呂に浸かりながら、耳の裏側の毛を抜くのが癖になっていました。キャバクラの客も『あ、この人、太そう(お金を持っていそう)』って思ったら、すぐ寝ちゃってましたし。今振り返ると自傷行為の一つだったのかな、って」
ホストクラブ通いを覚えたのは、キャバクラの同僚に誘われたことがきっかけだったという。