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Hey!Say!JUMP・山田涼介は「コップの水があふれた」――臨床心理士が語るアイドルの葛藤
2022/07/01 18:30
――アイドルのカウンセリングを行う立場から、ファンに気をつけてほしいことがあれば教えてください。
藤井 過激なファンじゃなくても、「この人ってこうだよね」みたいに、アイドルのキャラクターを決めつけてしまうことってありませんか? 「彼はいじられキャラ」とか「しっかり者だから大丈夫だよね」とか。悪いことは言ってないように思えますが、これも先ほど言ったように、本来の自分と見られ方にギャップが生じると、「自己実現できない」状態になり、悩みが生まれてしまう可能性があるんです。
ある俳優さんの例ですが、すごく評判のいい作品に出演した際に、「ハマリ役だったね」と言われたそうなんです。一時的にはうれしいんですけど、次第にその役に縛られて、自分自身も役のイメージを守らなきゃいけないと思い、それで苦しくなってしまったということがありました。
昔はファンレターを送らないとタレントに気持ちが伝わらなかったですが、今はSNSでなんでも言えてしまいますよね。何気ない投稿でも、結構本人に届いちゃうので、難しい時代だなと思います。
――SNSが身近にあるからこそ、ファンも応援の仕方に注意したいところですね。
藤井 まず大前提として、アイドル本人がやりたいこととか、向かいたい方向に行くことを応援してあげてください。そういう前提でいれば、かける言葉もちょっと変わってくる気がします。
ファンが期待する方向に進ませたはいいけど、本人が潰れちゃったら悲しいじゃないですか。だから、優しく背中を押してあげるのがいいんじゃないかと思います。
最終更新:2022/07/01 18:30