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インタビュー

Hey!Say!JUMP・山田涼介は「コップの水があふれた」――臨床心理士が語るアイドルの葛藤

2022/07/01 18:30
サイゾーウーマン編集部

――事務所の話で言うと、どうしてもタレントのケアが行き届いてない印象です。タレント側が自ら心の不調を発信して、ようやく事の重大さに気付く状況のように感じます。

藤井 芸能事務所ではいまだに「厳しい環境の中で生き残れる人こそ才能がある人」という考え方がありますね。臨床心理士である私からすれば、大きな勘違いをしてるなと思うんですが。これは芸能界とか事務所だけでなく、日本社会の現状だともいえるでしょう。

 あとは、事務所が大きければ大きいほど、所属タレント一人ひとりに目が行かなくなって、放置状態になってしまうのも問題。ただ、ジャニーズの場合は、ジャニー喜多川前社長が亡くなってから、退所する人が増えましたよね? 僕はこれ、いい傾向だなと思ったんです。

――それは、どういった理由でしょうか?

藤井 事務所を辞めて別の道を歩みたいと思ったタレントでも、例えば契約の問題で辞められない状態に陥って、精神的に追い込まれていく人も結構います。だから、これまでのような活動はできなくても、退所して自分らしくいられる道を選べるなら、そのほうがアイドルの精神的にはいいです。

 山田くんの発信自体は心配ですが、事務所が「ジャニーズなんだから、どんなファンにも感謝しなさい」などと言わず、山田くんの発言を認めてくれたことも、ジャニーズが変わった証拠なのだと感じます。それに、その人が普段見せていなかった部分を見せたからといって、急に人気が落ちてファンが離れるってことも、ほとんどないでしょう。

――確かに、山田さんを心配する声はあっても、「そんなこと書くな」と注意するような人は、ほとんど見かけませんでした。

藤井 やはり根本的な話として、アイドルのメンタル安定を考えたとき、事務所が本人の人間性や本来の個性を尊重し、そしてファンもそれを受け入れて応援するという状態が重要だと思います。あと、事務所には「精神的な孤独の解消」をお願いしたいです。

 マネジャーやグループのメンバーよりも、仕事とは関係ない人がアイドルを支えることが大事。頼れる人がいるかどうか、事務所がしっかり見てあげてほしいと思います。

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