コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

花田優一のビッグマウスに見る「焦り」と「さみしさ」

2022/06/23 21:00
仁科友里(ライター)
写真ACより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今週の有名人>
「そこは未定ですね」花田優一
ニュースサイト「NEWSポストセブン」6月21日配信記事より

 あなたの周りに「大言壮語な人」はいないだろうか? 具体的に言うと、自分に都合のいい方向に話を盛ってしまったり、できそうもないことを「絶対できる、やってみせるよ」と断言してしまう人のことを指す。友人同士の関係では、さほど問題にはならない(ただし、あまりやると信用をなくすので注意が必要だ)が、ビジネスの世界でこれをやってしまうと、「できると言ったのに、できないじゃないか」と仕事相手の信頼を損ね、自分の評価を落としてしまうことになりかねない。

 そのため、「大言壮語な人」は、なぜ、わざわざ自分の立場を悪くするようなことを言うのか疑問に感じていたが、そういう人は、一種の“さみしさ”を持っているのかもしれない。花田優一を見て、そう思った。

 平成の大横綱・貴乃花(現・花田光司氏)の長男・優一が6月21日、公式インスタグラムで、靴職人としての活動を一時休止すると発表した。それでは、次に何をするのか。同日に配信されたニュースサイト「NEWSポストセブン」のインタビュー記事で、優一は、

「僕にとって靴作りは自分を表現する最大にして唯一の表現手段でしたが、最近はありがたいことに様々な仕事をいただいて挑戦することができています。9月で27歳になるのですが、30歳になるまでのあと何年かを準備期間として色々なことにチャレンジして自分の可能性をためしてみたいという気持ちが強くなったのも事実です」

と、今後について明言を避けている。しかし、続けて「なので来年以降の肩書きは『靴職人』でもあるし、ほかの何かになっているかもしれない。そこは未定ですね」と、肩書に囚われない「新しい自分」を見せる意気込みを明らかにしたのだ。

 具体的な肩書こそ不明だが、優一は同日、自身のブログで、今後の目標について「靴職人としての技術向上、精神的向上、より一層の邁進のため、靴作りの修行環境の変化」「本来自分が目指してきた理想郷を作り出すための、新ビジネスへの挑戦」「自分自身の表現の幅と深みへの、追求と研究」の3つを掲げている。優一は絵画や歌手、俳優としての活動も始めているだけに、つまりは、靴作りと新ビジネスと芸能活動を頑張りたいと言っているのだろう。

 「虻蜂取らず」とか「二兎追うものは、一兎も得ず」ということわざがある通り、日本では2つのものを一度に手に入れようとすると、失敗するとされている。優一の場合、3つを掲げているわけだから、大言壮語で荒唐無稽なまでに欲張っているように感じる人もいるだろうが、私には優一が「どうにかして、世間サマに認められたい」と焦っているように感じられ、切なくなってしまった。

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