レジ袋有料化から早2年――万引きGメンが「大胆な犯行増えた」と警告
こんにちは、保安員の澄江です。
レジ袋の有料化から、早2年。いまや、ほとんどのお客さんがエコバッグを持参のうえ、買い物に来られるようになりました。以前であれば、空のバッグや袋を持って来店される人は「わかりやすい不審者」として警戒するよう指導されてきましたが、いまや通用しません。
また、レジ袋有料化と同時期に新型コロナウイルスが流行し、マスク着用もいまや常識となっていますが、かつてマスク着用の来店者を、無条件に警戒対象としていた大手スーパーチェーンでは、その方針を大きく変更して、万引き犯の顔認証登録に勤しみ、再犯防止対策に力を入れています。多数のバッグを店内に持ち込むや、顔を隠すことが不自然でない現況は、万引きをやる側にとって最高の環境といえるでしょう。
実際に、持ち込んだエコバッグなどに、大量の商品を詰めて盗み出す手口は横行しており、それに対応する商店や警察が疲弊している側面も否定できません。また、マスクや帽子で顔を隠すことで、防犯カメラを気にする必要がないため、余計に大胆な犯行に至る人が増えているのです。
さらにはセルフレジをはじめ、無人店舗や商品のスキャン機能がカートに付された「レジゴー」などの普及によって、万引きの手口や言い訳も大きく変化してきました。摘発する側である警察や検察も、事例や判例が充分にないため立件判断に頭を悩ませており、精算方法の多様化に法律が追いついていない実態すら垣間見えます。
コロナ対策や環境問題、精算技術の進化が犯罪者に有利な状況を構築し、結果、万引き行為が増えてしまった現状を皮肉に思うのは、私だけではないでしょう。
今回は、複数のエコバッグを犯行に用いて大量の商品を盗み出した犯行事例について、お話ししたいと思います。