覚醒剤をやめた人が見たくない「映像」とは? コロナ禍で増えたアレを元ポン中が「アカン」というワケ
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
3年ぶりの「全国矯正展」開催
大阪はまだですが、関東は6月6日に梅雨入りしたそうで、しばらくうっとうしい季節が続きますね。
そんな中で、3年ぶりの「全国矯正展」開催のニュースはちょっとさわやかちゅうか、うらやましかったです。瑠美も行きたかった……。科学技術館(東京・千代田区)での全国の刑務所作業品の展示即売会です。
来年はぜひ行きたいですね。すっかり仲よし(のつもり)のPaix²(ぺぺ)のお2人の笑顔がまぶしかったです。
懲役太郎さんとの対談で話題になった「回し打ち」
さて3回で惜しくも終了した懲役太郎さんと瑠美の対談の最終回では、クスリ(違法薬物)についてもお話ししたので、そのことなど。
昔はムショでみんなが同じ爪切りを使(つこ)たりしていて、懲役太郎さんも「エイズ感染が問題になる時まで、みんなが同じひげそりを使っていた」とおっしゃっていて、そこから「クスリの回し打ちからの肝炎感染」も話題になったんです。
瑠美はたまたま知り合いが「回し打ちすると肝炎とか伝染(うつ)るから気をつけて」と教えてくれてたんで、同じ注射器を勧められても打ったフリをしてました。
なんと懲役太郎さんが現役さんの頃は、事務所や博打場で「お茶を出すように」覚醒剤を出していたそうで、「打ってくれる人」もいてたんですね。注射器を「どうぞ!」と出され、「いや自分クルマなんで」とか、やんわり断ったりしてたそうです。
もちろん出先でキメる親分もいて、「今日の雲はなんで紫色をしてるんだ?」と聞かれたりして、「そうですね」と答えたこともあったそうです。
そんな場面をくぐり抜けてきた私たちの結論は、「やめてよかった」ちゅうことです。
瑠美もですが懲役太郎さんも、クスリは「やめよう」と思ったらやめられたんですね。何回も書いていますが、やっぱり自分で「やめよう」と思うしかないんですよ。
政府のキャンペーンが「いったん始めたらやめられない(から手を出さないで)」と言うしかないのはわかりますが、実際にはやめた人は多いし、むしろやってる人は「もうやめられないなら、しょうがないな」って思うかもしれませんよ。
瑠美も「どやってやめたんですか?」と相談されることもありますが、やめようと思っただけです。まあ、それまでに12年のムショ暮らしがありましたけどね。瑠美の場合は、「家族のため」でしたが、子どもがいてもお金がなくてもやる人はやるんで、こればっかりは「自覚」なんです。
ユーチューバーとして活躍されている懲役太郎さんは、「YouTubeの快感はクスリよりもいい」そうです。「クスリに代わるもの」があればいいんですよね。