NHK『チコちゃんに叱られる!』マナー講師が大炎上! 過去にもあった『テレワークマナー』本にまつわる炎上
「とにかく炎上を避けよう!」との気合が感じられる同書ですが、それがうまくいっていない部分も見受けられました。それがテレワーク中の子育てについて書かれた箇所です。
テレワーク中に「子どもが泣き出したりぐずったりしたら?」という質問に対する答えは、次のようなものでした。
「お子様と同じ目線になるようにかがんで、両手を握り、なぜ泣いているのかを優しく訊いてあげましょう」
自分の気持ちや状況を、まだ言葉で説明できない0~3歳の存在は無視でしょうか。そして泣く理由は9割方、「パパorママが家にいるのに遊んでくれないから」では? かがんで両手を握った程度で在宅勤務ができるようになるのなら、保育園などいりません(「ゴメンで済むなら警察は要らない」と叫ぶ人の気持ちが少しわかりました)。
続いて「泣き止んでくれたら、『ありがとう』とお礼を伝え、『ママ(パパ)、お仕事するけどいい?』とお子様に確認を取ってから仕事に戻ります」とのこと。二度目となりますが、それで泣き止むような子だったら、「いいよ」と言ってくれる子だったら、保育園はいらないです。「確認を取る」という概念がまず、未就学児には通用しません。さらに「お子様が笑顔でうなずいてくれる関係を、日頃から築いておきましょう」というのですが……は? テレワーク中に子が泣きわめくのは、日頃の関係が築けていないからと言いたいのか!? と絶句。
畳み掛けるように「『お母さんは仕事しているのよ! 静かにしてよ!』などとは決して言わないように。さらに泣きわめく可能性大です」「目的はお子様に泣き止んでもらい、あなたが速やかに仕事に戻ることです」とありましたが、はい、そんなのは百も承知ですし、上司に同じ相談をして、こんな回答をもらったら絶望だ……とガックリきてしまいました。
そもそもこの本では、テレワーク中、会社の人に、家族の存在をチラつかせることを良しとはしていないように読めます。オンライン会議に家族が映り込むことについて「『仕事中に家族のだらしない姿を見せるなんて、プロ意識にかける』と眉をひそめる人も中にはいるかもしれません」と書いていますし、背景の私物を覆い隠すことも推奨。その際には「余計な凸凹を作らないこと。凸凹があると、『何を隠しているんだろう』とかえって中身が気になって、集中できなくなる人もいる」との注意もありました。
人間ってこんなに面倒くさい生き物だっただろうか……そんな人間に対する認識をもあらためられる1冊と言える『超基本 テレワークマナーの教科書』。ルールやマナーを作るより、もっと大らかな考え方を広めるほうが、快適に働くことへの近道かもしれません。