NHK『チコちゃんに叱られる!』マナー講師が大炎上! 過去にもあった『テレワークマナー』本にまつわる炎上
ガセツイート騒動があったからなのか、「とにかく炎上は避けるぞ!」という意気込みがすごい……というのが一番の感想だった同書。
いたるページで「『これが正しい』などと、勝手に決めつけないほうがいいでしょう」「マナーに『絶対』はない」「マナーは時代によって変化する」など、逃げ道が作られているのが印象的です。メイクに関しては「※肌アレルギーなどでメイクが難しいときはする必要はありません」と注釈も添えられています。
そこでまず、Twitterで広まった偽情報と、実際の内容を比較してみましょう。
「オンライン会議は5分前に入室」は、本書では「1分前でOK」と書かれており、ツイートがガセだったことがわかります。しかし本書を読み進めると、自分がホストである場合には「30分前には環境整備に」とも書かれています。さらに「1時間ほど前から準備に入ると安心でしょう」とも。“環境整備”とボヤかして書いているのが気になりますが、何にせよ、時間に余裕がないと厳しいルールです。
次のガセツイート「頭を下げながら会議終了ボタンを。お客様より先に退出してはいけません」。実際の記載は、「まずは取引先に退室していただき、続いて自社で立場が上の役職順に退室」でした。ですがこれも、自分がホストの場合は、全員が退室するまで「ありがとうございました」「お疲れ様でした」と「お見送りしたほうがていねい」と書かれています。ツイートがガセであることは確か。しかし、実際に書かれていることと、それほど大きな差はないようにも感じました。
本書にはほかにも、“謎マナー”“謎アドバイス”と感じるものが数々登場します。例えば、会議で相手が発言している時は「カメラの5〜10センチ下を見る」というマナーは、「発言者が自分を見てくれていると感じられる映像」になるから……という理由だそうですが、そもそもカメラを凝視して会議する人など、あまりいないのでは。
ほかにも「始業時はパソコンに向かって『おはようございます。本日もよろしくお願いします』と声に出し一礼」(オンライン会議時ではなく、仕事を始める際)、「オンライン会議の背景に本棚があるとインテリ感が出る」「(SNSでやりとりを行う際)上司がスタンプを送ってきたら『可愛いスタンプですね』などと伝えた後にスタンプで返信」「漫画のキャラクターやアイドルの写真スタンプは控えましょう」――などなど、“謎マナー”“謎アドバイス”としか思えないものは枚挙にいとまがなく、一種のネタ本としても楽しめそうです。