コラム
知られざる女子刑務所ライフ141

医師や刑事も覚醒剤で逮捕! 警察や刑務所での癒着が「普通にある」ワケを元女囚が解説

2022/04/17 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

 お医者さんだけやないですよね。刑事さんのクスリ問題も、しょっちゅう報道されてます。こないだは、浅草警察の警部補さんが「部下に見せるための教材用」として覚醒剤を自分の事務机に隠し持っていたとパクられてました。しかも、密告でわかったそうです。

 まあ「教材用」は、わからないでもないですね。ブツ(実物)を見たことないのに、捜査はできませんからね。

 ちなみに豆知識ですが、映画やテレビドラマで刑事さんが組事務所とかで見つけた白い粉をなめて、「おい、こりゃシャブじゃねえか!」ちゅうのは、現実にはありえないそうです。証拠品は大事にとっとかないとね。そもそもシャブとかやなくて、「なめたら死ぬヤツ」かもしれませんしね。

 前出の警部補さんの場合、問題は、クスリをどこで手に入れたかですよね。押収品に手を出したんちゃうかなと思いますが、仲よしの密売人からもらったのかもしれません。

 刑事さんがヤクザや密売人と仲よくなるのは普通ですし、刑務官も懲役(受刑者)と仲よしになることはフツーです。女子刑務所もヒイキとかありますが、男子刑務所の癒着のほうがごっつい気がしますね。

 こないだも、拘置所で未決勾留中のヤクザに現金や刑務官の名簿を差し入れてた刑務官が、停職6カ月の懲戒処分を受けて依願退職してますね。

 これは、仲よしのほうが捜査もムショの管理も何かと便利ですし、身の上話を聞いてるうちに、かわいそうになっちゃうようです。特にムショは、処遇に不満があったら暴動とかになる可能性もあるので、「おとなしくしてもらう」ために何かをあげたり、ちょっとくらいの違反には目をつぶってあげるんですね。

 ええことではないですが、もともとムショに来るような人たちは、厳しいだけでは言うことを聞かないので、現場としてはしゃあないのかなとも思います。

中野瑠美改め瑠壬(作家)

1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。

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Instagram:@rumichibi1209

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最終更新:2022/04/17 16:00
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