コラム
“中学受験”に見る親と子の姿
「中学受験は負担が大きい」からと小学校からエスカレーター式も大誤算! 我が子が“深海魚”に!?
2022/04/10 16:00
内部進学組が幅を利かせているために、中学受験組が小さくなっているという話はよく耳にするが、大海くんのような逆のケースもあるのだろう。
「とにかく大海は要領が悪く、レポート課題もとりあえずでも、出すだけ出すということができないみたいで。しょぼいものなら出さないほうがマシと思うのか、未提出の嵐になって、平常点は限りなくゼロに近かったです」
一般的には、公立・私立問わず「提出物」をきちんと出すということが評価点の基準になる。中高一貫校も例外ではなく、定期テストの点数のほかに、小テストの結果、レポート課題の提出の有無なども進級進学の評価につながっているのだ。
大海くんの学校の場合、評価点が低いものがあると問答無用で「肩叩き」という、つまり「付いて来られないので、よその学校へ」とお声がかかる学校。
麻衣さんは焦って、有名中高一貫校の「深海魚(中高一貫校で成績が沈んだ生徒のこと)専門」と謳われるような個別塾やレポートを専門に引き受けてくれる教室にも申し込んだそうだが、肝心な大海くんが動かないのだそうだ。
「中学に入ると、大海も本格的な反抗期に入り、親の言うことなど一切無視でした。このままだと放校処分になるからと言っても、一切、レポートも出さず、勉強もせず。取柄と言えば、こんな状態でも学校にだけは休まず通ったことくらいですかね……」