[再掲]ドラマレビュー

福山雅治、『ガリレオ』シリーズ第3弾で話題! “二枚目”から“おじさん”まで演じる俳優としての成長

2022/04/28 12:40
成馬零一

福山雅治、俳優としてのエゴの薄さ

 福山は現在50歳。高校卒業後、5カ月間だけ会社勤務した後、上京し「アミューズ・10ムービーズオーディション」に合格してアミューズに所属。19歳の時に映画『ほんの5g』(1988年)で俳優デビューした。その後、『あしたがあるから』(TBS系、1991年)等のドラマに出演する一方、ミュージシャンとして大活躍する。

 筆者が福山を知ったのはラジオ番組『オールナイトニッポン』だった。ラジオの福山は、エッチな話も自然にできる陽気なお兄ちゃんという感じだったので、後にテレビで俳優、ミュージシャンとして出演している姿を見た時は、ラジオとのギャップに驚いた。

 福山が演じる役はクールな二枚目が多く、ヒット曲も甘いラブソングがほとんどだった。しかし、彼が好きなアーティストは泉谷しげる、SION、浜田省吾といった男臭い人ばかり。ラジオでは下ネタを言い、男臭いロックを好む福山と、世間が求める福山は大きくズレているように見えた。

 だが、その“ズレ”に対し悩んでいた痕跡は、ほとんどないのが福山の面白さで、意気揚々とクールな二枚目キャラを引き受けていた。ラジオ番組でバランスが取れたからこそ、カッコいい役を抵抗なく演じられたという側面もあるだろうが、そもそも福山は、顔で売れたことに対してコンプレックスがない。「カッコいいですね」と言われたら「ありがとうございます」と否定せずに笑って応え、自分が「カッコいいこと」を笑いのネタにして空気を和ませるやりとりを、ラジオで何度も聞いた。

 90年代にラジオ番組で交流が深かった伊集院光を筆頭に、「イケメンなのに性格が良い」と福山の人柄を絶賛する芸能人は多い。性格が良いというのは、気さくで親しみやすいという面もあるが、自分が一番目立ちたいというエゴが薄いという謙虚さもあるだろう。それは俳優・福山にとって大きな武器となってきた。

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