サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー『ザ・ノン』ほとんど福祉の不動産業 芸能 『ザ・ノンフィクション』レビュー 『ザ・ノンフィクション』ほとんど福祉の領域にある不動産業「おせっかい男とワケありな人々~あなたのお家 探します~」 2022/02/07 18:38 石徹白未亜(ライター) 『ザ・ノンフィクション』レビュー 『ザ・ノンフィクション』不動産業とはいえ、ほとんど福祉活動に近い仕事 高橋の本職は不動産業なのだが、おせっかい不動産の採算度外視の仕事を見ていると、これはもう福祉の領域に見える。『ザ・ノンフィクション』では今回に限らず、福祉、社会問題と向き合っている人たちを多く伝えており、今回の高橋でいいな、と思ったのが、数万円するパーカーを着て、髪形もアフロヘアーと金がかかるファッションを決めていたところだ。 ファッションが好きで、自分のスタイルにこだわりがあるのだろう。「おせっかい不動産」の仕事と「金のかかる個人的な趣味を両立させている」ところが実にいいと思った。 福祉はどうしても「豊かさ」とのリンクが弱い。というか、そもそも、社会が「豊かさ」を目指す中で「ひずみ」が生まれてしまい、そのひずみによって最低限の社会生活が困難になった人をなんとかしようとするのが福祉なのだと思う。 そのため、どうしても福祉は「金」と縁遠くなりがちなのだろうが、あらゆる面で余裕がない中、手弁当で人の幸福のために身を削る人というのは、見ていて切なくなるものがある。そんな中で、高橋のファッションへのこだわりや、妻子の待つ家に午後6時には帰るという姿は見ていて安心した。社会を思う気持ちと、自分の楽しみやプライベートを両立させようとする姿に、今の時代の良さを思った。 高橋は大手不動産会社での経験を生かし、おせっかい以外の不動産業務もこなしていて、番組内は札束が映るような高額案件もあった。福祉や社会問題を生業にしようと志す人は、採算は二の次になりがちな傾向もあるように思うが、それ自体がお金を生み出しにくいからこそ、「金」のことがむしろとても大切なのだと思う。 次のページ 『ザ・ノンフィクション』一人暮らしの91歳女性が死んだあとに…… 前のページ123次のページ Yahoo 不動産屋は見た 部屋探しのマル秘テク、教えます 関連記事 『ザ・ノンフィクション』専業主婦希望の婚活で噴き出した本人の問題「結婚したい彼女の場合 ~コロナ禍の婚活漂流記~後編」『ザ・ノンフィクション』専業主婦志望のハード婚活「結婚したい彼女の場合 ~コロナ禍の婚活漂流記~前編」『ザ・ノンフィクション』若年性アルツハイマーの父親をケアする高3の息子「ボクと父ちゃんの記憶 ~家族の思い出 別れの時~」『ザ・ノンフィクション』息子べったりだった母が「もうママは面倒を見れない」と変わるまで「母と息子のやさしいごはん ~親子の大切な居場所~」『ザ・ノンフィクション』44歳で始まった終活「人生の終わりの過ごし方 ~『ダメ人間マエダ』の終活~ 前編」