コラム
“中学受験”に見る親と子の姿
中学受験、本番直前に「やめる」と言い出した息子! 母親が選んだ驚きの対処法とは?
2022/01/23 16:00
その年のお正月は同じ市内に住む大好きな祖父母にも会わずに塾で正月特訓をしていた詩音くんである。どのみち、直前期は小学校はお休みして、自宅学習に切り替える方針ということだったので、テキストも何も一切合切置いて、祖父母の家に詩音くんひとりで行くことを勧めてみたのだ。
詩音くんは1週間ほど、祖父母宅でゲームをしながら過ごしていたという。
「実家の両親も『本人が嫌だって言うなら、何も無理して受験することもない』と理解してくれて、何も言わずに詩音の好きにさせてくれていたようでした。母としては、詩音の様子に『残念』って気持ちがなかったと言えば、嘘になるんですが、もう仕方ないな⋯⋯、高校受験どうしようかな? って気持ちになっていました」と理沙さん。
ところが、受験1週間前に詩音くんが自宅に戻ってきたそうだ。詩音くんは両親にこう言ったという。
「心配かけてごめんなさい。やっぱり、受験します」
その時、理沙さんは詩音くんが祖父母宅で、ひとり彼なりに考えを整理していたと解釈したそうだ。
「この時期だからこそ『親の敷いたレールに乗っている自分でいいのか?』『この受験に意味があるんだろうか?』みたいにいろいろ悩んだんだろうなぁ⋯⋯、これが思春期ってものなのかなぁ⋯⋯とか私なりに詩音の思いを想像していたんですが、最近、詩音に聞いたら、全然、違っていました(笑)」