コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

松田聖子と神田沙也加さん、「原因探し」は必要か? 親子関係を掘り起こす意味のなさ

2022/01/06 21:00
仁科友里(ライター)

 その昔、明石家さんまと女優・大竹しのぶの娘であるIMARUは『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)に出演し、親のネームバリューで仕事を得ても、それに見合った活躍ができないと「親のことばかり聞かれる」ようになると言っていた。つまり、番組が求めているのはIMARU本人ではなく「親の話」なのだろう。

 ということは、沙也加さんが親子共演をしない、親の話を出さないというのは、親の名前がなくても番組に出てほしいと思われる芸能人に立派に育った証しといえるのではないか。見方を変えれば、これが親子共演をしない理由とも捉えられるわけで、実際に「仲良し」なのかどうかは、本人たちにしかわからないはずだ。

 親と子は別人格だから、大人になれば、親と子で意見が違うことは珍しくないだろう。それを不仲という言葉でひとくくりにするのは、ちょっと乱暴ではないだろうか。また、週刊誌が聖子と沙也加さんの親子関係に頻繁に触れることで、さまざまな臆測を呼んでしまい、それが聖子を追い詰めないとは言い切れない。仮に親子関係が悪かったとしても、そういう人は世の中にいくらでもいる。であれば、親子関係を掘り起こして「原因」を探すこと自体が無意味といえるのではないだろうか。

 「女性自身」2022年1月18日・25日合併号(光文社)の記事で、デビュー当時の聖子と仕事をしたカメラマン・YAHIMONときはる氏は「聖子さんは非常に繊細な方ですので、しばらくお休みすると思います」と話していたが、どうかゆっくり心身を休めてほしい。また、報じる側も、こういうケースの時は特に、純然たる事実だけにとどめるなど、配慮が必要ではないかと思わずにいられない。 

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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X:@_nishinayuri

最終更新:2022/01/06 21:00
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