『最愛』5つのキーワードで読み解く! 新薬「850」の数字、弁護士バッジや白川郷の意味を徹底解剖
真犯人は? 伏線がどう回収される? 大ちゃんと梨央の恋の行方は? 回を追うごとネット界隈で考察がヒートアップしていた10月期の連続ドラマ『最愛』(TBS系)が12月17日についに最終回を迎えました。
伏線は、次々ブラックボックスが開き一気に回収され、大ちゃん(松下洸平)と梨央(吉高由里子)が手をつないで物語は幕を閉じました。今回はこの『最愛』を、物語中の印象的なキーワード(シンボル)からあらためて考察してみたいと思います。
キーワード1:弁護士バッジ
さて、物語の中心を貫いたのはある意味「連ドラのセオリー通り」加瀬賢一郎で、「台風の夜の死体遺棄共犯」「昭殺しの犯人」「しおり不審死」の全てに関与していました。
ドラマ公式のあおりも手伝って「真犯人は誰?」とネット上では考察が大盛り上がり。例えば「主要キャスト12人の顔写真があるポスタービジュアルにヒントが隠されているのでは?」や「タイトル表記『最愛』の『最』の中にある又が不自然に下がっているのはなぜ?」などとネット上の考察班がさまざまな独自見解を公開していました。
答えとなる「加瀬賢一郎」で当てはめると、最の字の「不自然に下がった又」が含まれる「賢」一郎が犯人では? という見立てがありました。それで合っていると思うのですが、ここでは見たままの「最」を上下に分けて、「日を取る」とした上で、答えをより強固なものにしてみたいと思います。
ドラマ本編を通して、加瀬さんの胸元で一際目立っていた「弁護士記章」(バッジ)。そのつけ外しのタイミングも意味深に映り、あれこれと惑わされたバッジの存在ですが、その図像は天秤と向日葵(ヒマワリ)です。
天秤は公平・平等を表し、ヒマワリは正義・自由の象徴とされます。英語では「sunflower」で、そのまま太陽=お日さまの花。その「日」を持つ仕事に就く加瀬さんを選び取れば正解だったという見立てです。
また、加瀬さんがホシであることが確定し、大ちゃんはじめ警察に追われましたが、まんまと逃げおおせ雲隠れしました。こうなると弁護士の仕事を続けるのは不可能で、このまま辞めるしかなく、「日を取る」=「バッジを外す」、あるいは「(あくまで)法の下だけの正義(ヒマワリ=日)は取り払った」と考えることもできそうです。
キーワード2:新薬「SND850」の数字
数字に注目すると、梨央が開発した新薬SND850は、8+5+0で13。映画『13日の金曜日』の印象が強く、この数字には不吉というイメージばかりが先行しますが、もともとは地上の王の数字です。13=トランプのキングでも王になりますが、これについて自然界では亀の甲羅が詳しく表しています。
亀は万年といわれますが、万年とは久遠=永遠、時の概念を意味します。甲羅には周縁ぐるりと小さめの六角形が24(時間を表す数字)あり、中に大きめの六角形が13あるのです。24(時間)は13(地上)を守っているという表しが亀の甲羅なのです。
その地上は現世となるので「現世利益」の薬にはぴったりの数字。また、この13はドラマの中でさりげなく補強されています。
第4話、梨央の中傷記事が出た直後の定例役員会の時、申し出ていた治験の中断を覆し改めて治験参加を希望した被験者のハンドルネームが「Rina-w319」でした。3+1+9は13です。