ムショでは、がんが放置されて死ぬのも「日常」――元女囚が考える刑務所の医療
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
刑務所のアイドルPaix2と座談会
まだ細かいところはヒミツですが、あの刑務所のアイドルPaix2(ペペ)のお2人と、座談会をさせていただきましたよ。お2人ともとてもええ方で、かわいかったです。掲載をお楽しみに。
Paix2は刑務所の慰問を続けている女性コンビで、今はコロナでお休みやけど、2000年4月のインディーズデビュー後、同年12月に地元・鳥取刑務所で第1回目の「プリズンコンサート」開催からの504回ですよ。
もちろん瑠美も、和歌山刑務所時代に見ています。今もカラオケで「元気だせよ」とか歌ってますよ。
Paix2には、ぜひNHKの『紅白歌合戦』に出てほしいですね。ムショは、めちゃくちゃ盛り上がると思います。ちなみに大みそかのムショは、カップ麺やけど年越しそばが出て、『紅白』を見られて、元日はおせち料理も出ます。ムショはシャバよりむしろ季節感ありますが、マジ入るところやないですよ。最近は関係ない人を殺してまで入ろうちゅう人が目立ちますが、「ダメ。ゼッタイ。」です。
獄中で病気になったら死も覚悟
当たり前ですが、「ムショに行く」ちゅうことは問題しかないです。まず家族や友だちに迷惑がかかるし、縁を切られるのも普通です。
あと、健康問題があります。三食付きでタバコ・酒ナシの規則正しい生活ですが、ストレスはめちゃくちゃあるので、持病が悪化したり、病気になる人も多いです。獄中(なか)で病気になったら、マジで死も覚悟です。医者が少ないし、来てもほとんど診てないから。
そもそも好きでムショの医者になる人なんて、いてると思います? 瑠美も、もし医者やったらムショになんか来ません。つまりムショに来る医者は「ワケアリ」と思ってええですが、それで誰かが亡くなるのはツライですね。