火曜ドラマ『ハンオシ』に現れる、“胸キュン”枠の抱える2つの問題――かつての月9と同じ“死に枠”に?
清野菜名主演の火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系、略称『ハンオシ』)が10月19日にスタートした。初回の世帯平均視聴率は9.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人視聴率は4.9%とまずまずのスタートだったが、同じく火曜ドラマの金字塔的作品『逃げるは恥だが役に立つ』(以下、『逃げ恥』)にストーリー設定が酷似しているとの声がネット上に続出した。
『ハンオシ』の原作は、『FEEL YOUNG』(祥伝社)で連載中の有生青春氏による同名漫画。結婚に興味がないデザイナー明葉(清野)が、突如抱えた500万円の借金を返すため、広告マン・百瀬(坂口健太郎)と“愛のない”偽装結婚生活を送るというものだ。
「この関係が、みくり(新垣結衣)と平匡(星野源)が“従業員”と“雇用主”という関係で契約結婚することになった『逃げ恥』と似ているというのです。どちらの作品にも、お金がきっかけで共同生活を始め、一線は超えないという前提があります。そのため、登場人物が変わっても『逃げ恥』の脚本を何となくなぞっているような“既視感”に襲われるのでしょう」(芸能ライター)
ほかにも、主人公が借金を背負うという設定は前クールの『プロミス・シンデレラ』を、部屋を片付けられず仕事に生きるヒロイン像は『私の家政夫ナギサさん』を思い浮かべる人もいるようだ。いずれも、火曜ドラマの過去作だが、なぜこうも似通ってしまうのか?
「この『ハンオシ』は、『逃げ恥』のチーフ演出家・金子文紀がメガホンをとり、プロデュース(那須田淳)、音楽(末廣健一郎、MAYUKO)も『逃げ恥』チームが作り上げている。ヒット作を手掛けると、その成功体験が忘れられないのはヒットメーカーが陥りやすいところです。26日の第2話は、百瀬の兄夫婦に偽装結婚がバレそうになる……という展開とのこと。一方で『逃げ恥』の2話も、早くも“契約結婚”が家族にバレる危機を迎えています」(テレビ関係者)
また『逃げ恥』6話は、平匡とみくりが新婚旅行ならぬ“社員旅行”をするという展開が“神回”と称された。「『ハンオシ』の原作にも、百瀬の仕事の関係で明葉と2人で温泉旅行に行くというストーリーがある」(同)といい、今後も類似を指摘する声はやみそうもない。
さらに火曜ドラマには避けられない問題があるという。主演を張れる女優の不足だ。上白石萌音が『恋はつづくよどこまでも』の1年後、同じ枠と同じスタッフで『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』に主演したように、森七菜らなどこれまでの火曜ドラマのヒロインが今後、再登板することも十分に考えられる。