SixTONES・田中樹は聞き手を飽きさせない“フロウ巧者”!? 「ジャニーズNo.1」と言われるラップスキルをプロが解説!
各グループにラップ担当のメンバーが1~2人いるなど、近年のジャニーズ楽曲において“なくてはならないもの”といえるラップ。そんなジャニーズタレントによるラップパートを、プロが解説するシリーズ「ジャニーズラップ勉強部屋」。
今回はラップスキルにおいて「ジャニーズNo.1」とも言われるSixTONES・田中樹をピックアップ! 田中は中学生の頃にヒップホップと出会い、般若、Zeebra、KREVAなど日本のラッパーを好んで聴いていたんだとか。そんな田中のラップには、どんな特徴があるのだろうか。2020年7月22日にリリースされたSixTONESの2ndシングル曲「NAVIGATOR」中盤のラップパートを、音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』の作詞なども手掛けるラッパーのマチーデフ氏に聞いてもらった。
まさに“フロウ巧者”という印象
ラップの歌い方全般を指す言葉として“フロウ” という用語があります。リズムの刻み方、アクセント、抑揚、 発音の仕方、 音の伸ばし具合などフロウを構成する要素はいろいろありますが、 田中さんはそれらがどれも巧みでまさに“フロウ巧者” といった印象です。早速、「NAVIGATOR」 の歌詞を見ていきましょう。
SixTONES「NAVIGATOR」 作詞・作曲=高木誠司 作曲・編曲=高慶“CO-K”卓史
以下、今回解説するラップ部分の歌詞
No hope!
抵抗なき敗走、 自主最高速度制限
透明な規制線に守られたる数多の後悔
退きな、間抜けに黙ってればこのまま抜け出せない
当ても無く ただ吹かす この Round & Round
このラップパートは直前までの疾走感とは打って変わって、バックトラックにも変化があり、ドラムの打ち方が半分になります。その変化に合わせるように、緩急をつけているのが1小節目。「抵抗」「敗走」「最高」で韻を踏みつつ、これに「度制限」を加えた4つが緩急の“緩”にあたる部分になります。ドラムの打ち方が半分になったバックトラックの1,2,3,4の拍の位置に合わせてこれら4ワードを配置していて、田中さんはその変化に寄り添うようなフロウで歌っています。
そして逆に、拍のウラに入っている「なき」「自主」「速」の3つは緩急で言う“急”の部分。先ほどの4ワードの倍のリズムで刻むことで、見事に緩急がついています。
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