ヤクザの家はガスも止められる時代に! 元極妻が考える、どんどん進む排除と「ライフライン」
今から10年前の11年といえば、六代目山口組・司忍組長が産経新聞の取材に応じて話題になった年でもあります。山口組のトップのインタビューは、まさに「何十年ぶり」のレベルでした。
現在は公開されていないようですが、このインタビューに関する報道はまだ読めます。六代目の一人称が「俺」なのは、意外な気がしたのを思い出しました。なんかカジュアルですよね。
「山口組を解散する考えはないか?」という記者さんのどストレートな質問に、六代目は「今、解散すれば、うんと治安は悪くなるだろう」と、きっぱり。「若い者は路頭に迷い、結局は他の組に身を寄せるか、ギャングになるしかない」と分析しています。
過剰な暴力団排除で生活できなくなった若い衆たちは、半グレと組んでいるようですし、分析通りになってきていますよね。一方で、「俺にできることは、これまで以上の任侠道に邁進する組織にすることだ」と話したことは、ネット上などで「そうなっていない」という指摘も目立ちました。六代目の出身母体である弘道会は、けっこう事件を起こしていますしね。
でも、六代目が「オレオレ詐欺やクスリ(違法薬物)をやめろ」と言えば、やめる子分さんはいるはずなんですよ。やめられないのは、ほかにシノギがないから。そもそもやめたところで、ほとんどの暴排条例は「『暴力団』をやめてから5年」は「みなし暴力団員」としてますしね。この5年間は、どうすればいいんでしょうか?
それに、「更生」の受け皿も、報道ではたくさんあるように見えますけど、実はそんなにないし、あっても建設業とか肉体労働がメインですよね。ヤクザだって肉体労働が向いている人ばかりではないですし、年齢も限られます。
ガスの供給停止だけではなく、これからもさらにヤクザは排除されていくでしょう。「ヤクザは悪いから排除していい」という気持ちはわかりますが、排除された人たちは、どこへ行くと思われますか?