花江夏樹は「スキルが乏しい」一方で、立木文彦や中井和哉は高評価!? 服部潤が苦言を呈した、声優のナレーター起用の背景
バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』や情報ワイド番組『王様のブランチ』(共にTBS系)などでナレーションを担当しているベテランナレーター・服部潤が、公式Twitterでつぶやいた発言がネット上で物議を醸した。
服部は9月14日、「有名声優かしらないけど、番組ナレーターに使うのはもう止めにしないか? 内容が全く入って来ないし、番組として成り立ってない」(原文ママ、以下同)とツイート。ネット上では、「声優のナレーションはキャラクターのイメージが先行して番組に集中できない」「起用する側の問題でしょ」「声優さんはアニメキャラを演じる仕事だけをしているわけではない」など、賛否両論が巻き起こったのだ。
昨今の声優ブームが追い風となり、人気声優が自身の演じたキャラクターに寄せた声で番組ナレーションを行う機会も増えてきたが、服部は14日の投稿で「声優はキャラクターを通しての表現はピカイチだけど、ナレーションとしての表現は全く出来ていない」とも語り、ナレーションを引き受ける声優たちに苦言を呈した。個人名は出していないものの、ネット上では、大人気アニメ『鬼滅の刃』(TOKYO MXほか)で主人公を演じ、7月に『1億人の大質問!?笑ってコラえて!」』の2代目ナレーターに就任した花江夏樹を指しているのではないかと臆測を呼んでいる。
「服部が花江のことを語っているかどうかは本人にしかわかりませんが、花江に関しては現状ナレーションスキルが乏しく、服部がぼやきたくなる気持ちも理解できます。最近では花江以外にも、人気作に出演した声優や、話題性のある若手声優がナレーションを担当する番組が増えているため、仕事を奪われてしまう本職のナレーターたちは腹立たしいのかもしれません。ただ、そもそも人気商売の業界ですし、声優のナレーター起用は出演作品の影響を受けた一過性のものの可能性もありますが、ヒットアニメが次から次へと誕生し、昔よりも声優への注目度も高まっている昨今ですから、仕事の奪い合いが続くのは仕方がないともいえます」(声優業界関係者)
なお、番組ナレーションは、アニメでキャラクターを演じるスキルとは異なる技術が必要だという。
「きちんとナレーターとして活躍するには、当然、それなりの技術が必要。プロとして仕事をしようとした場合、そのジャンル内の約束事があるわけですから、本来、声優はナレーションのノウハウをきちんと学んでから仕事を受けるべき。『新世紀エヴァンゲリオン』(テレビ東京系)の碇ゲンドウ役で知られる立木文彦や、『ONE PIECE』(フジテレビ系)でロロノア・ゾロを演じる中井和哉など、ナレーション仕事でもしっかり成果を出している声優もいますが、一方で努力なしに、安易に仕事を引き受ける者もいるため、長年その道のプロとして活躍してきた服部が良く思わないのは当然でしょう。ただ、そんな声優たちにしても、通常の活動を行いながら一流のナレーターとしても活躍したいのか、単純にオファーされたからなんとなく引き受けているのか、志しの違いで今後の活動に大きな差が出てくると思いますよ」(同)
また、番組ナレーションで視聴者に違和感を与えてしまっている背景には、声優の実力不足はもちろん、「話題性を集めるべく、『人気キャラクターの誰々っぽくナレーションをしてほしい』とオーダーしているであろう番組スタッフの“下心”も影響している」(同)という。
業界の垣根が低くなり、声優の活躍の幅が広がったのは良い傾向だろう。しかし今後は、声優自身が「プロとしての自覚」を持ち、番組サイドも目先の話題性にとらわれないキャスティングをすることが、視聴者離れを防ぐポイントかもしれない。