「スピリチュアル大喜利」開幕に困惑! 元2世が語る、カルト宗教信者に「説教された思い出」
こんこんとドアを叩き、会議室に入ると、Zさんが中央の席で腕組みしている。我々は向かいの席に座った。
静まり変える会議室で、Zさんが口を開く。
Z「なんで呼び出されたかわかるか」
しーんと静まり返る会議室。
Z「A。どう思う?」
A「集合時間に遅れてしまいました」
場の空気が重いので、みんな名指しされないとしゃべらない。
Z「そうだな。お前らはまず……最近のお前らは……」
ここからZさんの説教が始まる。遅れた理由などを一通り聞かれ、「なぜお前らはダメなのか」を延々話し出す。ここまでは割と普通の説教と一緒、ただ口うるさい大人という感じである。しかしここから急に、カルト味がかかってくる。
やはり宗教に生きる大人には、「何かスピリチュアルな良いことを言わないといけない」という心の動きがあるのだと思う。
Z「今、オレにはお前たちの守護霊様から『何が足りないか』を教えてもらっている。それが何なのか、当ててみろ。ちなみに2文字だ」
我々3人の間に、「こいつ何言ってるんだ」という空気が流れる。急に「スピリチュアル大喜利」が始まってしまった。2文字で守護霊が言いそうなことを言わなくてはいけない!
Z「A。お前はどう思う」
A「わかりません」
Z「B。お前はどうだ」
B「わかりません」
AもBも大喜利の面倒くささと、ヘタなことを言えない空気に呑まれて、何も答えない(なお、AとBは説教中、脳をオフにして死んだ魚の目になるタイプだ)。
Z「DJ2世、お前はどうなんだ」
本人にわからないことを、守護霊越しにZさんが知っているなんて、どういう状況なんだという気持ちもある。しかし、何より「3人ともわからないと言い切ると、Zさん絶対キレる! 何か言わなくては!」と、私は脳をフル回転させ、とっさに頭に浮かんだ言葉を口にした。
DJ2世「か、覚悟……ですか」
少年漫画のようなセリフを吐き、笑ってしまいそうになる自分の唇を噛んでぐっとこらえる。一瞬の沈黙が永遠のように感じられた。
「覚悟」という言葉を聞いて、何を言い出すんだろう。Zさんはゆっくりと口を開いた。