カルチャー
[女性誌レビュー]「婦人公論」2021年9月28日号

70歳男が「恋愛モードどっぶり」、80代の水森亜土が友達にあてた“濃い”手紙……シニアの友情に迫る「婦人公論」

2021/09/25 17:00
島本有紀子(ライター)

 次は、読者から寄せられた体験手記のコーナー。今回のテーマは「男友達は、いくつになっても厄介で」です。紹介されているのは64歳女性と70歳女性の二通。

 64歳女性のほうは、亡き夫の墓をお世話してくれた石材店の営業マン(同い年)と、いつしか食事やカラオケに行く関係に。女性は「男友達」という認識だったが、営業マンからのLINEは親密さを増し、やがて「つきあってほしい」と送られてきたそう。「男の人は親密になると、どうして一線を超えたがるのだろう。そして、なぜ恋人か他人かの二者択一にこだわるのか」と悩んだ女性は、結局おつきあいすることに。しかし、交際3年がたった今も、時々「あのままいい男友達として続けられたらそれだけでよかったのに」と思うとのこと。

 もうお一人、70歳女性の場合は、いつも割り勘で「割り勘男」と呼ばれる高校時代の同級生がお相手。その割り勘男と二人きりで居酒屋で飲むことになった女性。帰り道で割り勘男に手を握られ、「いやー。一度君と手をつないで大通りを歩いてみたかったんだ、昔から」と言われたそう。「割り勘男、70歳。青春一直線モード、恋愛モードどっぷりである」という冷静な描写がお見事です。その後も割り勘男からは何度か電話があったそうですが、一切出ていないとのこと。

 10代20代でぶち当たりがちな、“男女の友情は成り立つのか問題”。婦人公論世代になってもその問題は解決しないということが伺える読者手記でした。

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