体の不調を防ぐには、「スパイス」料理がおすすめ! 上手な取り入れ方、漢方薬との違い……薬剤師が“活用法”を伝授
豊富な種類がある「スパイス」は、刺激的な香りや辛味で、料理のアクセントとして活用されます。なんとなく「体によさそう」なイメージもあるスパイスですが、実際に、漢方の生薬と共通するものも多くあるのです。そこで今回は、スパイスと漢方の違いや、健康に役立つスパイスについて、薬剤師の清水みゆき先生に話を聞きました。
スパイスと漢方は何が違う? 基礎知識を解説
――スパイスと漢方の違いを教えてください。
清水みゆき先生(以下、清水) スパイスの中には、漢方薬の材料である生薬と共通するものもあります。ただし、スパイスは料理をおいしくする「調味料」の一種で、漢方薬は漢方医学で処方される生薬を組み合わせた「薬」。なので、漢方薬は「効能や効果が認められている医薬品である」と言える点が、スパイスとの大きな違いです。
――スパイスには、漢方のように体の不調を改善する効果はありますか?
清水 生薬と共通するスパイスを摂ることで、体の不調の予防や改善が期待できるといわれています。例えば、冷え対策に役立つスパイスとしては、次のようなものです。
<冷え対策に役立つスパイス>
・クローブ/生薬名:丁子(ちょうじ)
・シナモン/生薬名:桂枝(けいし)、桂皮(けいひ)
・ジンジャー/生薬名:生姜(しょうきょう)
・サフラン/生薬名:紅花(こうか)
これらのスパイスは、体を温めたり、血流をよくしたりする効果があり、冷えの改善が目指せるといわれています。
――漢方が苦手な人は、スパイスで代用することも可能ですか?
清水 スパイスは漢方薬の代わりにはなりませんが、スパイスを毎日の食生活に取り入れることで、病気の予防や健康増進は期待できます。例えば冷え症の方なら、朝はコーヒーの代わりに、先ほど挙げたシナモンを入れて、紅茶を飲むといいでしょう。シナモンには体を温める効果があるので、冷え対策につながりますよ。