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『24時間テレビ』視聴率不発のウラに「募金リレー」……目玉企画・チャリティーマラソンをやれない日テレのジレンマ

2021/08/25 13:12
村上春虎

「近年は、“無理しない”“つらかったら頑張らなくてもいい”という風潮が強くなっていて、SNSでも『苦しいだけなのに、なんで走らせるんだ』『24時間も走らせる意味がわからない』という声が多くなっていました。『24時間駅伝』は、そんな批判に対する一つの対策だったのでしょう。ところが、翌年の20年はコロナ禍によって公道を走ることが困難に。代替企画として行われたのが、日産自動車追浜工場の構内を利用した『24時間募金ラン』でした」(放送作家)

 工場の敷地内、1周5キロを走るたびに10万円をランナー自らが募金する「24時間募金ラン」。企画の発起人は元マラソン選手の高橋尚子で、3日前にランナーの打診を受けたという柔道家・松本薫は、「なんか募金するって説明受けたんですけど、難しくてあまり聞いてなくて。わからなかったので走りました」とインタビューで答えている。ランナーとして走るだけでなく、募金しなければいけないというコンセプトは、参加者だけでなく視聴者の混乱も招いた。

 そして、その翌年となった今年は、東日本大震災から10年を迎えたことから「復興」を打ち出し、ランナーが被災地への思いを胸に走る企画を行った。

「今回は、ジャニーズの岸と城島以外は全員アスリートという顔ぶれ。これも、『普段マラソンとは無縁の芸能人を無理やり走らせるなんて……』という世間からの批判に対する策なんです。職業柄、アスリートは一般人に比べれば走るのは苦ではないでしょう。ただ、それだと今度は盛り上がりに欠けた。苦しむ様子もなく、同じ場所をぐるぐる走ってるだけの映像ですから、面白みがなかった」(同)

 批判を防御しながら四苦八苦続けてきた、この数年。来年のマラソン企画は、「コロナ次第ですが、公道でのマラソンが再開されるかもしれない。芸能人を立てることも案の一つに浮上するでしょう。しかし、それはそれで叩かれる。どのみち、マラソン企画が八方ふさがりで、ジレンマに陥っていることは間違いないでしょう」(同)。

 『24時間テレビ』第15回の1992年、間寛平から始まったチャリティマラソン。来年2022年に行われれば30周年を迎えるが、果たしてどうなるのだろうか?
(村上春虎)

最終更新:2021/08/25 13:13
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