映画『ハニーレモンソーダ』主演のSnow Man・ラウールに「一抹の不安」……大ヒットの裏で賛否が分かれるワケ
意外や意外、作品自体は突飛な展開があるものの、ヒロインである羽化の変わっていこうと努力する過程が学校生活を通じて丁寧に描かれており、青春ラブストーリーというよりも一少女の成長ストーリーとして、また、三浦界はじめ他キャラクターの成長物語としては非常によい構成になっていた。
とはいえ、少女漫画原作にある“キュン成分”を誇張するための少し無理のある強引な流れや、登場人物のスピーディーな心情の移り変わりは観客を置いてきぼりにすることもしばしば……。各個人の内面と向き合う演技は悪くなかったものの、いざスクリーン前の観客を意識したキュンシーンになると途端に安っぽくなる演技には、やや表現自体が飽和状態であることは否めない印象を受けた。これ、単発の瞬間風速の映画化ではなく、同じ製作陣とキャストでの連続ドラマだったら、細かい心情シーンもより描くことができてちょっと良いドラマになってたんじゃない……?
気になるラウールの演技力は……
「今後に期待!!」の一言だろうか……。ラウールのぎこちない演技を支える周囲の若手俳優陣の演技が輝くことで、「あれ? この子たち高校生だっけ? 20代では……?」と、役年齢とのミスマッチを覚えるシーンも所どころあり、原作の世界観が崩れていると感じる原作ファンも少なくなかったのでは。筆者は演技の巧拙はこういった原作少女漫画実写映画には割と不要だと思っている派ではあるが、今後ジャニーズを牽引していくSnow Manのセンター・ラウールともなれば、その存在感に見合う演技力も身につけてほしいところ。
しかしながら、作品の核心部分である「胸キュン」「爽やかさ120%青春ラブストーリー」に必要不可欠なスクリーン越しに観客を殺しにくるルックス、醸し出す甘い雰囲気はさすが。演技経験の少なさを有り余るフレッシュさでカバーし、実年齢と役年齢の近いラウールの、今を生きる刹那のみずみずしさがスクリーンを通して伝わってきたように感じる。これを機にステップアップし、たくさんの演技経験を積んで、さらなる飛躍に期待したい!
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