タランティーノvsブルース・リー娘で『ワンス・アポン~』をめぐる論争再び! 「白人男性は父を都合よく利用してきた」
まずは、「私が父の描かれ方を不快に思っていると、潔く認めたことには感謝する」とした上で、ブルースに会ったことのないクエンティンが、なぜあたかも事実を知っているかのように振る舞えるのか疑問だとぴしゃり。「“ブルース・リー”を都合のいい時に都合のいいように利用して、娘である私に“ブルース・リー”を説明したがる人たちに、何年にもわたって出会ってきた」と嘆いた。
「父を尊大なクソ野郎だったと話す、ハリウッドの白人男性たちにはうんざり。60〜70年代のハリウッドで、独特のなまりを持った中国人男性が仕事をし、外国人・有色人種と認識される中で自分の意見を述べることがどんなに大変だったか。どんな気持ちだったか、見当もつかないだろうし、想像すらできないんでしょうね」と批判。
「ハリウッドの白人男性たちが、父が持っていた自信や情熱、スキルを傲慢さから来るものだと思い違いすることに、心の底から失望する」「ハリウッドの白人男性は、父がアクション映画というジャンルや演技に与えた影響、格闘技の普及と関心への貢献、そして父の業績がアジア系アメリカ人や有色人種コミュニティの精神を高揚させ、誇りの源となっていることに言及せず、父が(亡くなった)32歳という若さで達成したこれらの偉業を軽視することに、私はうんざりしています」と、偏見に満ちたブルース・リー像の広がりを憂いた。
そして、「(クエンティンが)父のことを好きなのか、嫌いなのか、そんなことはどうでもいい。あなたはよくわからないでしょうけど、異文化や自分とは異なる経験をリスペクトするためにも、これ以上はブルース・リーについてコメントしないことをお勧めしたい。これ以上の争いなど必要ない。(アジア系アメリカ人という)文化的英雄が少ない世界において、あなたの発言がどれだけインパクトがあるものなのか。いま一度考えてほしい」と厳しい言葉をつづった。
父親への尊敬と愛を隠さず、同時に、白人男性が大きな優位性を持つハリウッドの権力勾配の問題を突き付けたシャノンの寄稿。クエンティンがどのように反応するのか、気になるところだ。