芸能
『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』40年前は6万匹以上、100倍あった動物の殺処分『はぐれ者とはぐれ猫 ~小さな命を救う男の闘い~』

2021/06/28 16:05
石徹白未亜(ライター)

 奈良県出身で、北海道で大学生活を送った阪田が、今名古屋で活動をしているのは名古屋が政令指定都市の中で当時、猫の殺処分が一番多かったからだという。番組内では名古屋市の10年前の殺処分数はおよそ3,000匹で、2019年は66匹と伝えられていた。

 なお、東京都の動物愛護センターのホームページを見ると、令和元年の都内で殺処分された動物は660匹だったが、これが10年前の平成22年度は4,045匹、20年前の平成13年度は1万5,625匹まで増えていく。掲載されている中では一番古い41年前の昭和55年度は6万2,815匹だったため、令和元年と比較すると100倍近い殺処分があったことがわかる。今は殺処分ゼロを目標に掲げる自治体も多い。

 「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方でわかる」とは、ガンジーの言葉だ(ガンジーでない説もある)。この点において社会は進歩していると思うし、昔は経済的には豊かだったのだろうが、動物を殺して成り立つ社会に比べれば、今のほうがずっといい。

 今、このような機運が醸成されるまで、過去からの大勢の人たちの尽力があったのだろうと思いを馳せた。花の木シェルターのホームページでは寄付、ボランティア募集のページもある。私も今回の原稿料の一部を寄付した。

 来週の『ザ・ノンフィクション』は『ボクがなりたいもの~芸人になる。と上京した娘~』。お笑い芸人になると上京した幸世は「男になりたい自分」をネタに舞台に上がるがまったくウケず収入もない。幸世に仕送りを続ける親も堪忍袋の緒が切れて……。

「花の木シェルター」ボランティア、寄付受付

地方自治体動物虐待等通報窓口一覧

石徹白未亜(ライター)

専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。

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いとしろ堂

最終更新:2021/06/28 19:36
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