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「Cocomiである必要性はない」! 声優デビュー作『漁港の肉子ちゃん』を見たアニメ好きライターが、その演技をぶった切る
2021/06/24 19:15
毎年新作が作られるような、国民的アニメのゲスト声優としてなら、彼女の起用はありかもしれない。しかし、冒頭のモノローグの時点で、このキクコという役がCocomiである必要はないと思わされた。
物語の“象徴”ともいえる肉子ちゃん役の大竹しのぶがコミカルな演技をやり切っているだけに、よく言えば「ナチュラルな演技」、しかし悪く言えば「素人演技」であり、主演と並ぶと、物足りなさが際立ってしまう。
学校のシーンから見る、女子の“本音”と“矛盾”
スタジオジブリ出身の小西賢一氏がキャラクターデザインということで、所々にジブリを思わせる描写が見られ、ファンタジー色の強い物語のようにも感じた。肉子ちゃんのコミカルな動きや、なぜか言葉を話すトカゲやヤモリ、セミやカモメなど、世界観も実にそれっぽい。しかし、ファンタジーな描写とは裏腹に、小学5年生のキクコという少女を通して生々しい世界が描かれる。
印象的だったのが、学校における女子特有のコミュニティ内で起こる“いざこざ”だ。小学生だとしても、女子同士が集まるだけで何かしらの問題が起こってしまうもの。誰が悪口を言っていた、生意気だと思う、かわいい、かわいくない……と、お互い必死に自分の立場を守ろうとする。波風を立てたくないキクコは、のらりくらりとこの問題をかわすが、友人・マリア(石井いづみ)がうまく対処できずに孤立してしまう。女子なら誰もが経験したことがあるだろう、リアリティあふれるシーンだ。
特に、キクコが気にかけている男子・二宮(花江)がマリアを褒めた時に出たキクコの言葉には、“女子の本音”が色濃く表れており、その後に取った彼女の行動もまた、女子の中に存在する“矛盾”をよく表しているように感じられた。
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