NEWS・加藤シゲアキ、作家活動の「個人的なミッション」とは? 読書は「読み終わって何か残らなくていい」と明かす
NEWS・小山慶一郎がパーソナリティを務めるラジオ『KちゃんNEWS』(文化放送)。6月15日深夜の放送回には加藤シゲアキがゲストで登場。文学賞を受賞するコツについて語った。
3月から5月にかけ、ライブツアー『NEWS LIVE TOUR 2020 STORY』を行っていたNEWSだが、小説家としての顔も持つ加藤は、「ちょっとした『オルタネート』バブルがあった」「人生で一番忙しかったかな」と、ライブ期間中も作家として多忙な生活を送っていたという。
2012年に『ピンクとグレー』(KADOKAWA)で小説家デビューを果たした加藤。それ以降、1~2年に1回のペースで新作を発表しており、昨年11月に発売された6作目となる長編小説『オルタネート』(新潮社)は、昨年12月に「第164回直木賞」、今年1月に「2021年本屋大賞」にノミネート。この2つは惜しくも受賞を逃したが、その後、「第42回 吉川英治文学新人賞」を受賞。さらに、5月30日には直木賞候補の作品から全国の高校生が選考して選ばれた「第8回 高校生直木賞」を受賞している。
現役アイドル初の有名文学賞ノミネート・受賞ということもあり、加藤にはさまざまな取材が舞い込んでいたようで、コンサートの日程の合間に「受賞したら会見」「(賞を)とらなかったらテレビの仕事」など、先の読めないスケジュールがぎっしり詰まっていたとか。
また、ノミネートされてから受賞者が発表されるまでの間は“受験の合否を待つ感覚”やオーディションに似ていたと話し、「試験だったら試験のために勉強するじゃん。勝手に抜き打ちテストだったのよ。書いたら『これ実はテストでした』みたいな。言っといてよー! みたいな」と、全てが不意打ちだったとも明かしていた。
ここで小山が「(受賞するうえで)点数を稼げそうな書き方とかあるの?」と質問すると、加藤は「あるよ。傾向と対策はある」と回答。続けて「芥川賞のほうがわかりやすいんだけど、直木賞は1回で基本的には取れないって言われている」「例えば短編集よりは長編のほうが取りやすい……あくまでも傾向だけど。今までの分析した統計上はそう」と説明し、「SFは取りにくいとか、社会性・メッセージ性があるものとかが傾向としては多い」と自分なりに分析しているようだ。
一方で、「『オルタネート』は、ちょっと狙って書いてるの?」と小山に問われると、「いやいや、そういうものにいちいち振り回されるのが嫌だから」と意識していなかったとか。『オルタネート』のように、高校生が主題の作品は「はっきり言って取りにくい。かつて(受賞した作品は)ないと思う」とのことで、今後の作品も「賞のために書くのは違うと思う」と、作家として決意があるようだ。