“ご近所トラブル”が深刻化!? 「隣人のせいでアレルギー発症」「宅配便を住民に盗られた」衝撃の相談事例
コロナ禍で「ステイホーム」が推奨されるようになり、自宅で過ごす時間が増えたことから、「ご近所トラブル」も増加しているという。そこで今回、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)の著者であり、マンショントレンド評論家の日下部理絵氏に、コロナ禍特有のご近所トラブルについてインタビュー。実際に起きた衝撃的なトラブルの内容と、その対処法を聞いた。
コロナ禍で増えた、“バルコニー問題”3選
――新型コロナウイルスの感染が広がり続ける今、ご近所トラブルは増えているのでしょうか?
日下部理絵氏(以下、日下部) ステイホームが叫ばれ、家にいる時間が長くなりましたから、それに応じてご近所トラブルもかなり増えましたね。コロナ禍の前まで、ご近所トラブルは「夜の騒音問題」が多かったのですが、新型コロナの流行後は「新しい生活様式」を反映したトラブルに変化しました。その中でも、集合住宅で急増しているのは「バルコニー問題」です。
バルコニー問題は主に3つあり、1点目はペットにまつわるトラブル。特にお子さんのいるご家庭では、一斉休校などの影響で、ペットを飼い始めるお宅が増えています。鳴き声やにおいだけでなく、「お隣さんが飼っているペットの毛が洗濯物に付き、動物アレルギーを発症してしまった」という深刻なケースもあります。また、そもそも「ペット禁止」の集合住宅なのに、コッソリ飼っている……というトラブルも多いですね。
なお、「ペットを飼うなら戸建」という印象をお持ちの方もいるかと思いますが、建売住宅の場合、人気のエリアではお隣まで50センチしか離れていなかったりします。手を伸ばせばお隣の壁に届いてしまう距離なので、こうなるとやはり、ペットの鳴き声や臭い、アレルギーなどの問題は出てしまうでしょう。
――ペットを飼っていない住宅で起こった「バルコニー問題」もありますか?
日下部 はい、2点目のタバコがその例です。今まで会社や外でタバコを吸っていた方が、ステイホームによって自宅でタバコを吸うようになりましたよね。バルコニーで吸う方もいるため、同じマンションの住人から「洗濯物に臭いがついた」などのクレームが寄せられるようになりました。さらに、バルコニーで吸うことで灰が飛び、ボヤ騒ぎになったケースもあるんです。
3点目はガーデニングです。バルコニーでガーデニングを始められる方も増えましたが、虫のトラブルが目立つようになりました。また、ガーデニングをしていると、ベランダに溜まったホコリに土が混じり、ヘドロのような状態になってしまいがち。それで排水口が詰まってしまうトラブルも発生しています。
――逆に、コロナ禍で減ったトラブルもあるのでしょうか?
日下部 コロナ前のバルコニー問題というと「鳥が巣を作ってしまう」が多かったのですが、ステイホームによって「知らない間に鳥が巣を作っていた」という状況は防げるようになり、相談の件数も減りました。なので、今の問題は「鳥対人」でなく、「人対人」に変わっていますね。