BTSやガガ、ジャスティン出演シーンを削除! 米ドラマ『フレンズ』スペシャル版を中国が検閲
米ニューヨーク・マンハッタンに住む男女6人の恋愛をコミカルに描いた、大ヒットコメディドラマ『フレンズ』(1994~04)。同作のキャストが再会する“同窓会スペシャル”『フレンズ:ザ・リユニオン』が、5月27日に米動画配信サービス「HBO Max」で公開された。大物セレブらが次々ゲスト出演して大きな話題となったが、中国で配信された際に、一部シーンが削除され、物議を醸している。
英「BBCニュース」によると、『フレンズ』は中国のミレニアル層(1980~90年代生まれ)に根強い人気を誇っており、今回のリユニオン版も中国主要3大ストリーミングプラットフォームの「アイチーイー」「テンセントビデオ」「Youku」ですぐに配信された。しかし、アメリカで配信されたものより、アイチーイーは約6分、テンセントビデオは約5分、Youkuは約4分、短縮されていたという。
カットの対象になったのは、K-POPグループ「BTS」、歌手のレディー・ガガ、ジャスティン・ビーバーがゲスト出演しているシーン、LGBTQである番組ファンが思いを語るシーン、マット・ルブランク演じるジョーイの下着ネタと、「モニカ(演:コートニー・コックス)がくらげに刺された際、そばにいたチャンドラー(マシュー・ペリー)がおしっこをかけて助けてくれた」というシーンだった。
いまや世界的人気を誇るBTS、リーダーのRMはもともと『フレンズ』で英語を覚えたと公言していた。彼は20年10月に米韓関係への貢献をたたえる賞を受賞した際、「両国が共に経験した苦難の歴史と無数の男女の犠牲を忘れない」と発言。朝鮮戦争(1950〜53)で米韓が共に戦ったと話したことが、北朝鮮軍と共に米韓と戦った中国の怒りに触れ、SNSやメディアが「BTSが中国を侮辱した」と一斉に批判する騒ぎへと発展。
BTSのグッズを販売していたサイトは商品を取り下げたりもしたが、中国のARMY(BTSのファン)たちの愛は揺るがず、この騒ぎは長続きしなかったようだ。が、この件を機に当局はBTSを放送禁止の対象にしたとみられている。
レディー・ガガは、リサ・クドローが演じる個性的な女性フィービーが歌う曲として有名な「猫はくちゃい(Smelly Cat)」をフィービーと一緒にギターを弾きながら熱唱したシーンがカットされた。ガガは、16年にチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世に面会。中国が弾圧を続けるチベットの精神的指導者との面会は、中国を刺激し、以来、中国での公演が禁じられている。