TOKIO・松岡昌宏、「芝居に対して失礼」! 主演舞台開幕で「話すか迷った」複雑な胸中明かし、「惚れ直す」の声
TOKIO・松岡昌宏がパーソナリティを務めるラジオ『松岡昌宏の彩り埼先端』(NACK5)。5月16日の放送では、松岡が主演舞台『東京ゴッドファーザーズ』にかける思いを語る場面があった。
同作は、5月6〜30日に東京・新国立劇場で上演予定だったものの、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発令を受け、同11日まで公演中止に。当初の予定から1週間遅れの12日に無事初日を迎えた。同2日の放送回で松岡は、全公演中止になる可能性に触れながら、「心の切り替えというのは、準備しておこうと思います」とコメント。稽古場での共演者たちとのエピソードを明かしながら、「この経験は絶対に財産になる」とも語っていた。
今回の放送では、その時の発言を振り返りながら「12日に初日を無事迎えることができました。まあ正直な話、本音は、ほんとにちょっと“一安心”なんです」と胸中を報告。観客の前で芝居ができることについては、「『ああ、良かったな』っていうのが実は本音です」としながらも、「やはり報道等を目にしてて、演劇は開けられる。ただ映画館はダメ、美術館はダメ、博物館はダメ……さまざまな問題がいろいろある中で、手放しに『やった』って喜べるものではないんですね」と、複雑な思いを抱えているようだ。
また、コロナ禍の中で舞台を上演することについては、「やはりさまざまな意見があると思います。でも、それは我々役者としては真摯に受け止めなきゃいけないと思います」と発言。上演するのか公演中止か、「どちらが正解なんだろうというところで、舞台関係者ならびに我々役者も自問自答しながら、今舞台をやらせてもらっているという状況」とも語った。
しかし、松岡は「ショー・マスト・ゴー・オン」という言葉を挙げながら、「幕が開いた以上は、僕はやらなきゃいけない。それが我々の使命であり、エンタメと向き合ってるプロとしての責任だと思ってます」ときっぱり。「施設、その環境によってとても悔しい思いをされてる方がいらっしゃるというのはもちろん全員わかっていて、その中で芝居をしてる」と、ほかの人々の気持ちを慮りながら、「でもいったん板に立った時は、これは申し訳ないですけども、忘れてます」「忘れてるというか、頭からそのことを除かなければ、芝居に対して失礼だと思ってるんで。もちろん、来てくださってるお客様に対しても失礼だと思ってます」と熱弁。舞台に真摯に打ち込んでいるようだ。
その後、松岡はコロナ禍で“何をどうするのが正解か”という論議は尽きることがないだろうとしながら、「このお話を皆さんにしようかどうかも迷った」と告白。「44(歳)にもなった男の、1人の役者がそこに触れずにラジオをお送りするのもいかがなものかと」と、今の正直な心境を明かした理由を説明。「ですから、これは皆さんにわかってほしいということではなく、あくまで『自分はこういう気持ちで舞台と向き合わせてもらってます』というのを、自分の口で皆さんにご報告したいなと思いまして」と語った。
そして最後に、「やっぱり見ていただいた方にはスカッとしていただいて、笑っていただいて、良かったな、やっぱり舞台面白いなという気持ちで帰っていただけたらいいな」「これが我々の仕事なんだと思って、毎日、板を踏んでいこうと思ってます」と決意を新たにした。
今回の放送を受け、ネットでは「こうやって正直な気持ちを聞けることはありがたい」「この状況の中で舞台に立ったりエンタメを提供する人の思いを聞かせてくれてありがとう」「いろいろな思いが交錯する中、手放しでは喜べないことを受け止めたうえで、プロの覚悟と責任を背負って舞台に上がることを、あえて自分の口で伝える。惚れ直すわ」といった称賛の声が上がっていた。