『おかえりモネ』、前作『おちょやん』と対照的なスタート? 初回から「久しぶりに朝ドラらしい朝ドラ」と好評のワケ
女優・杉咲花がヒロインを務めたNHK連続テレビ小説『おちょやん』が5月14日に最終回を迎え、平均世帯視聴率18.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことがわかった。
同作は昨年11月30日からスタートし、初回視聴率は18.8%を記録。2017年前期に放送された有村架純主演『ひよっこ』の19.5%以来、7作ぶりに20%を下回る結果となったが、その後も大幅な伸びはなく、番組最高視聴率となったのは、今年3月5日放送の18.9%だった。全話通して一度も20%台に到達しなかったのは、09年前期『つばさ』(多部未華子主演)以来、約12年ぶりのことだ。
昭和の名女優・浪花千栄子さんをモデルにした『おちょやん』は、戦前から戦後の大阪を舞台に、杉咲演じるヒロイン・竹井千代が“上方のコメディエンヌ”になるまでを描いた物語。第1話では、5歳の頃に母親を亡くした幼少期の千代(毎田暖乃)が、酒におぼれて何もしない父・テルヲ(トータス松本)に代わり、貧しい家庭を必死で支える姿が映し出された。
「ドラマ公式サイトで『酒もばくちも、そして女も好きなトラブルメーカー』と紹介されているテルヲは、酒癖が悪いだけでなく、千代と面識のない女性(宮澤エマ)を『この人が今日からお前のお母ちゃんや』と言って連れ帰ってくる、自由奔放な人物。視聴者からは“朝ドラ史上、最悪のクズ父”と呼ばれるほど批判を浴び、ネット上には『これを朝から見るのはしんどい』『あの父親が出る限り見たくない』など、“早期離脱”を宣言する声が噴出しました。ほかにも、千代と幼少期に生き別れた弟・ヨシヲ(倉悠貴)が“放火犯”となったり、夫・天海一平(成田凌)が不倫したりと、シリアスな展開が続いたため、なかなか視聴者が戻ってこなかったようです」(芸能ライター)
一方、後半からはネット上で盛り上がりを見せる展開も。特に“花籠”をめぐる物語には、感動の声が続出していた。
「1月29日放送の第40回で、京都の撮影所の大部屋女優となった千代は、匿名で贈られた“花籠”を受け取ることに。その後も、舞台の初日や千秋楽など千代にとって重要な出来事があるたびに匿名で花籠が贈られ、視聴者の間で『誰が贈っているのか?』と予想が繰り広げられていたんです。そんな中、4月30日放送の第105回で、千代の幼い頃にテルヲが連れてきた継母・栗子(宮澤)が送り主だと判明。ネット上では『花籠の伏線回収、最高すぎるだろ!』『栗子さん、ずっと千代を見守ってたんだ……泣けるわ』など、大きな話題を呼んでいました」(同)
そのため、最終回後はネット上に「伏線回収が見事で、最後まで見て本当によかった!」「最初はどうなることか心配だったけど、後半にかけてどんどん面白くなったね」「『おちょやん』は、視聴率では表せない面白さがあったと思う。記録より記憶に残る朝ドラでした」など、熱い感想が続出。数字は伸び悩んだものの、視聴者の“満足度”は高かったようだ。