コラム
知られざる女子刑務所ライフ117

努力して報われなくても、がんばるしかない! 元女囚が語る「薬物依存更生」への苦しみ

2021/05/16 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

努力しても報われないこともある

 競泳の池江璃花子選手の「もらい事故」が話題ですね。病気でもがんばって五輪代表になれたのに、「五輪出場を辞退しろ」とか言われてるそうです。意味わかんないです。

 池江選手は、長い療養で筋肉がめちゃ落ちたところからがんばってがんばって、1位になりました。「努力は必ず報われると思った」って泣いてましたね。

 ほんまにすごいことで感動しましたけど、テレビを見て思ったことがあります。それは、「いくら努力してもアカン時はアカン」ちゅうことです。池江選手に負けた人たちは健康体で、努力もハンパなくても負けたんです。

 瑠美も子どもの頃に体操をやってたからわかりますけど、「勝負」は残酷なんです。更生も同じで、いくらがんばっても、世間に「もう大丈夫やね」ってゆうてもらえるのは、簡単ではないのです。

 何回も書いてますけど、瑠美は今ですら薬物使用を疑われることがあるので、おちおちダイエットもできません。ちょっとでも痩せれば「まだクスリやってる?」てね。まあクスリ(違法薬物)は慣れてくると何を食べてもおいしくなるから、実は太るんですけど、なんか「ポン中=骨と皮」みたいなイメージありますよね。

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