ビリー・アイリッシュ、性被害者の「肌見せ」自己責任論を批判! 「そんなので理性飛ぶなら、自分でしごけって」
1990年代中盤~2010年代中盤に生まれ、環境問題や性/人種差別などの社会問題に強い関心を持つと言われているZ世代。そのアイコン的存在ともいわれるのが、歌手のビリー・アイリッシュだ。
これまで体形を隠すかのようにオーバーサイズの洋服を愛用し、中性的なファッションを好んでいた彼女が一転、ボディラインを強調するコルセット姿でイギリス版「VOGUE」6月号の表紙に登場。雑誌を宣伝するため、日本時間5月3日には、自身のインスタグラムにたくさんのコルセット写真を投稿した。メッセージ欄には、これまでとは真逆の姿に対するバッシングをけん制するかのように、「自分のやりたいことをやりたい時にする」と一言。「自分らしくいたいから、好きなことを最優先する」という彼女のスタイルには、称賛とともに1600万を超える「いいね!」を集めている。
「VOGUE」のインタビューでは、これまでありのままの自分の身体を愛する“ボディ・ポジティブ”を体現してきたのに、なぜ今回コルセットを着用したのか? といった質問を受けた。それに対して、自分のモットーは何も変わっていないと回答。
「自分が気分よくいられるかがすべて。整形したいなら、整形すればいい。自分が着たいドレスに対し、誰かが『それ、太って見えるよ』と思ったとするじゃん。それは、そう思ったやつがクソなんだよ。着ている本人が“いい感じ”って思えば、それはイケてるんだから」
そして、「肌を見せたいと思った途端、偽善者扱いされる。(本当は)軽い女、だらしないヤリマンだって」「そういう考え方は本当にクソ。そういう思考を好転させ、(自分の)力にしてやろうって思う。体形や肌を見せたり、見せなかったり、そういうことで尊厳が奪われるなんて、本当に間違ってる」と語った。
そのうえで、「要するに男はマジで弱い生き物なんだと思う」「簡単に自制心を失うからね。『そんな(大胆な)ドレス着ちゃって、男に手を出されないとでも思った?』ってマジ? そんなに弱いわけ? は? 自分でしごいてろって感じ!」と、社会に根付く「誘惑する被害者」像や「被害者の自己責任論」を厳しく批判。
また、未成年者への性的虐待や性的搾取を歌った話題の新曲「Your Power」については、「弱みにつけ込む、主に男だけど、そういう人たちへの公開状」だと説明。
「みんなには歌詞を聞いてほしい。(加害者は)誰だろう? って探らないで。別に誰かを特定してもらいたいという曲じゃないから」「誰かひとりだけに起きていることを歌ったわけじゃない。『音楽業界だから(起きるん)でしょ』って思うかもしれないけど、違うし。そこら中で起きていることなんだよ」と、未成年たちが弱みにつけ込まれて、力のある男たちから性的虐待・性的搾取されているという社会問題を直視してほしいと熱く語った。
みんなにとって居心地のいい社会へと変えるべきだと問題提起し続けているビリー。彼女のメッセージが詰まったセカンドアルバム『Happier Than Ever』は7月30日にリリースされる。