『相棒』ありきのお付き合い案件? 水谷豊、大コケした映画監督業を続けられるワケ
『相棒』シリーズで知られる俳優・水谷豊の、3本目となる映画監督作品『太陽とボレロ』(2022年公開)の製作が発表された。とある地方の市民オーケストラを舞台とした人間ドラマとなる予定で、世界的指揮者として知られる西本智実氏が音楽監督を務めることも発表されている。
水谷はこれまで、『TAP THE LAST SHOW』(17年)と『轢き逃げ 最高の最悪な日』(19年)の映画を監督。いずれも明るい話題に乏しいまま終わったにもかかわらず、ヒットメーカーであるかのようなハイペースで3作目の製作が決定したことに、一部ではある裏事情がささやかれている。
「タップダンスが題材の1作目『TAP THE LAST SHOW』は、水谷の“構想40年”という力作で、初監督映画かつ主演作として事前の注目を集めました。しかし、いざ公開されると、映画ランキング(興行通信社)トップ10にランクインできず、『大コケ映画』という烙印を押される結果に。2作目の『轢き逃げ 最高の最悪な日』では、水谷は脚本も担当。ひき逃げ事件を扱った意欲作で、自身はひき逃げで娘を失った父親を演じました。こちらは初週で7位に入りましたが、その後は特に話題にならないままフェードアウト。ヒットには至りませんでした」(業界関係者)
数字にシビアなはずの業界で、“大コケした監督”である水谷の3作目の製作がかなうのは、なぜなのだろうか。
「今作の『太陽とボレロ』の配給は、1作目、2作目と同様に東映です。東映といえば、水谷主演の大ヒット刑事ドラマ『相棒』シリーズをテレビ朝日と共に制作。これまで4作ある映画版を手掛けたのも、もちろん東映です。『相棒』で東映に黒字をもたらしている水谷だからこそ、儲けが期待できない映画の監督も許されているのでは、といわれています」(同)
今作のスタッフはまだ公表されていないが、水谷監督作品の前2作は製作総指揮にテレビ朝日会長でCEOの早河洋氏が就いていた。
「また撮影監督などにも『相棒』でおなじみの名前が見られたので、『相棒』ありきのお付き合い案件なのでは……という印象です」(同)
果たして水谷監督は3作目をヒットさせられるのか、注目したい。