『シン・エヴァンゲリオン』大ヒットで存在感薄れた? 大泉洋主演映画『騙し絵の牙』、トップ3入り逃す苦戦
大泉洋主演の映画『騙し絵の牙』が3月26日から公開。全国342館の大規模上映であるものの、トップ3入りを逃す結果に。現在大ヒット中のアニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』の影響で、「存在感が薄れてしまった」(芸能ライター)との声も出ているが……。
『騙し絵の牙』は、作家・塩田武士氏が大泉の起用を想定して書いた“当て書き”小説が原作。廃刊の危機に立たされた雑誌編集長・速水(大泉)が、起死回生のために大胆な奇策を打ち、陰謀や逆境に立ち向かう姿を描く。監督は映画『紙の月』『桐島、 部活やめるってよ』などで知られる吉田大八氏で、佐藤浩市や松岡茉優といった実力派俳優が脇を固める。
そんな同作は、今春の邦画実写作品の目玉作品の一つといわれていたが、初週の土日2日間の動員は8万8,000人、興収は1億2000万円で、週末映画ランキング(興行通信社調べ)で初登場4位と、トップ3入りを逃してしまった。
レビューサイトなどで同作の感想をチェックすると、「最後まで飽きずに見てられた」「吉田監督、お見事」 など本作を絶賛する声がある一方、「大ドンデン返しモノを期待していた人には物足りない」「予告に騙された感じ」など、辛口なコメントも並ぶなど、賛否両論。
また主演・大泉については「そもそもコメディのイメージが強くついているので、同作のようなシリアスな作品に出た際に『演技がわざとらしい』『リアクションが大げさ』などの批判を毎回受けている印象があります。しかし今回は、『抑えた演技がよかった』『飄々とした演技が素晴らしかった』など、総じて好評を博している」(同)という。
一方で、同時期に公開された『シン・エヴァンゲリオン』が、興行収入60億円突破の大ヒット中とあって、『騙し絵の牙』の存在感が薄れたという見方もされているようだ。
「昨年10月に公開された映画『罪の声』も、小栗旬と星野源をメインキャストにした骨太サスペンスで、評価自体はよかったものの、歴史的大ヒットとなったアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』の影に隠れる形となり、いまいち脚光を浴びなかったという憂き目に遭っていました。それと同様の現象が、『騙し絵の牙』にも起こっているのではないでしょうか。ちなみに、『罪の声』の原作者は、『騙し絵の牙』と同じ塩田氏。同じ原作者の実写映画化が二度も、しかも2年連続大ヒットアニメ映画の影響を食らうことになるとは……」(同)
まだ上映が始まったばかりの『騙し絵の牙』。これからの巻き返しに期待したいところだ。