コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!
皇后さまと女官の複雑な関係明らかに!? 知られざる寵愛と「手紙」の存在
2021/04/17 17:00
――魔女の件でわかることは、宮中の祭祀の問題が非常に大変で、根深く、そして現代に引き続いているものであるということですね。
堀江 そうなんです。たとえば平成時代、天皇として熱心にご公務と宮中祭祀の二つを、こなしてこられた現・上皇さまですが、これは上皇さまがスーパーマンとでもお呼びしたいくらいの方だったからこそ、はじめて可能だったということです。
昭和天皇が宮中祭祀を減らしていかざるを得なかった70代の時、上皇さまは上皇后さまとご一緒に、代理を立てずに、御自身で祭祀に出席されつづけました。
昭和の伝統を平成時代には強化していかれたわけですが、それは上皇さまにとって、ご公務と宮中祭祀という二つの軸の両立こそ、天皇のつとめであるという強い信念がおありだったからでしょう。
現時点ではコロナの影響で、皇室の方々のご公務は控え目になっています。それでも、皇居では宮中祭祀、つまり「いのり」は途絶えることなく続いているかと存じます。令和時代の皇室のご公務と宮中祭祀のバランスは、どうなっていくのか……。それについてお話しするのはまだ少し先のことになりそうです。
最終更新:2021/04/17 17:00