コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

天皇陛下を味方につけた侍従長、女官を追放! 宮内庁に渦巻く“男の嫉妬”が生んだ悲劇

2021/04/03 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

 ヨーロッパ訪問の女官リストに、今城さんの名前が入っていないことを入江氏が皇后さまに告げた6月10日、「(皇后さまが)大変ご機嫌だった」という、ある意味、謎めいた記述が出てきます。また、6月16日に今城さんの罷免の決定が、入江氏から皇后さまに対面で伝えられたのですが、皇后さまは「なんの御抵抗もなく御承知」だったそうな。

――え、皇后さまはそんなにドライだったんですか? ショック……。それで、今城さんの反応は?

堀江 今城さんはこうした皇后さまの態度……つまり、皇后さまに自分がまさか「切られる」という事態をまったく想定していなかったようです。

 げんに皇后さまに解任が伝えられた翌日の6月17日、今城さんに入江侍従長の部下から解雇決定が伝えられると、今城さんは狼狽して「もう5、6年つとめようと思っていたのに」と口走ったそうです。

 今城さんの悲嘆をよそに、皇后さまはこの日「大変御機嫌」だったそうですよ。翌7月30日には、「魔女がいないのでさっぱりした気分」と日記に書いている入江が上機嫌ならわかるのですが……。

――皇后様、どういうお気持ちだったのでしょうか? 謎めいたそのお心に迫ります!

堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。著書に『偉人の年収』(イースト・プレス)、『眠れなくなるほど怖い世界史』(三笠書房)など。最新刊は『日本史 不適切にもほどがある話』(三笠書房)。

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最終更新:2021/04/03 17:00
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