万引きGメンへの報復はおそろしい! 不良グループ捕まえた2日後……店長が「大変なことが起こってさ」と漏らしたワケ
こんにちは、保安員の澄江です。
過日、ドラッグストアで万引きをして保安員に捕まり、懲役刑を受けて出所した男(35)が、捕捉した保安員の関係先に複数回汚物を送って嫌がらせをしたとして、大阪府迷惑防止条例違反で逮捕されるという事件がありました。捕まったことに対する報復のため、使用済みの靴下やスリッパ、紙屑入りのごみ袋などをダンボールに詰めて、着払いで送りつけていたとのこと。汚水を入れたウォーターサーバー用のタンクを送りつけたこともあったそうで、その発想に驚きつつも、宅配便の配送料金が気になりました。警察の調べに対して被疑者は、ゴミを送ったのではなくプレゼントのつもりだったと供述しているそうで、まるで反省の色はないようです。
いやがらせ行為は、出所直後から始まったと報道されています。保安員の住所を知り得た背景が気になりますが、それに言及する記事は見当たりませんでした。被害者や逮捕者の住所氏名は、被害届や供述調書、現行犯人逮捕手続き書(乙)などを見れば、複数個所に記載されています。逮捕者である私たちの住所を被疑者が知り得るには、それらの書類を覗き見るほかなく、それ以外の手段は考えられません。
経験がある方なら、おわかりいただけると思いますが、捜査官は取調べ中に、取調室をたびたび出入りします。慎重な方が担当であれば、隙を見せることなく書類を見えないように隠して退出されますが、なかには気遣うことなく放置して退室してしまう方もおられるので、やろうと思えばできてしまうことは否定できません。長時間にわたり密室で行われるため、そのチャンスは豊富で、タイミングさえあえば簡単に盗み見ることができるといえるでしょう。
見てはいけない、撮影してはいけないと言われるほど、それに固執してしまう人がいるのも事実です。私自身、検事席に置かれた被疑者の経歴書や身分帳(刑務所で使用される個人台帳)を目にしたとき、どんな内容が書かれているのか非常に気になりました。もちろん、無断で盗み見るようなことはいたしませんが、逮捕者を逆恨みする被疑者の立場であったら、どうでしょう。このような形の情報漏洩から、より凶悪な被害が生じる可能性は捨てきれず、ぜひとも逮捕者の住所を知り得た経緯を明らかにしていただき、再発防止策を講じてもらいたいものです。今回は、私が経験した万引き犯の報復行為について、お話ししたいと思います。